1)通院間隔について

患者様ご自身が通院コンプライアンスを守れない場合は、施術者側がいくら適切な施術を行っても、期待した通りの治療成績が望めません。そのため、適切な通院間隔を守るようお願いをしています。薬のように用量用法を守って初めて「鍼治療を受けた」ことになります。一回の施術だけで治療効果を判定することはしないようにして下さい。

2)脳卒中の場合

急性期および​回復期は最も回復が望める期間のため、できるかぎり毎日の加療をすすめています。後遺症期(維持期)以降は週2回以上をすすめています。

3)パーキンソン病の場合

ハネムーン期(発症から3~5年程度)では週1~2回以上。進行期では週2回以上をすすめています。進行性のため、症状が進んでいくとなかなか治療効果を感じづらいこともありますが、加療中断によって安定した状態が崩れたり、進行が早まることがあるため注意が必要です。

4)パーキンソン症候群の場合

パーキンソン病に似た「多系統萎縮症」や「進行性核上性麻痺」などのいわゆるパーキンソン症候群ではパーキンソン病治療薬の効果が期待できない場合、進行速度が極めて早い場合が多く、発症から週2回以上をすすめています。進行性のため、症状が進んでいくとなかなか治療効果を感じづらいこともありますが、加療中断によって安定した状態が崩れたり、進行がさらに早まることがあるため注意が必要です。

5)顔面神経麻痺の場合

ステロイド投与終了後から週2回以上をすすめています。また、後遺症である表情筋の拘縮(ひきつり)に対しても週2回以上をすすめています。軽度のベル麻痺で(ENoG検査に基づいて)自然治癒の可能性が非常に高い場合は鍼治療の必要性は高くありません。中等症以上では、加療期間が数か月~年余に渡る可能性があります。また、経過が長い症例(陳旧例)や完全麻痺でも継続加療において回復がみられることがあります。

6)痛みの場合

​加療開始直後は週1~2回をすすめています。一般的に、痛みの軽減できる(または維持できる)間隔を目安に通院頻度を決定しています。痛みが強い場合は、毎日通院される方もいます。また、痛みの程度にあわせて週1回、隔週と間隔が空いていくこともあります。もちろん、間隔を空けた場合に症状が増悪する場合は、通院間隔を短くしていきます。

7)通院期間の目安

加療にあたって、変化がみられる場合は継続通院を強くすすめています。また、慢性疾患では症状のコントロールが重要となります。とくに、加齢に伴う慢性疾患や難治性疾患の場合は継続通院をすすめています。中断することによってコントロール出来ていた症状が再燃することもあるため注意が必要です。軽快した後もケアのために通院を希望される方もいらっしゃいます。急性疾患に関して、治癒後の継続通院の必要性は高くありません。

8)通院頻度について

​通院間隔にむらがないように設定することをすすめています。週2回の通院を連続二日にするよりは三日間ほど間を空けることをすすめています。また、「高頻度の通院はよくないのではないか?」という質問を受けることもありますが、治療成績の面では、頻度が高くあることよりも低くなってしまう方が問題となります。もちろん、高頻度になればなるだけ、皮下出血などのリスクは上がりますが、患者様の状況(例えば脳卒中回復期)によっては皮下出血よりも治療回数を優先した方が有益であることがあります。なお、理由なく通院回数を極端に増やす必要はありません。