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パーキンソン病とハネムーン期

片側の手足の震えから徐々に進行していく「パーキンソン病」という病気をご存じですか?パーキンソン病はドパミン製剤が初期(ハネムーン期)では著効することがわかっており、現在もドパミン製剤を中心とした薬物療法と運動療法が中心となっています。


しかし、ドパミン製剤の著効する「ハネムーン期」は、3~5年程度しか続きません。原因の一つはドパミンを貯蔵するドパミン神経細胞の数が徐々に失われていってしまうためだと言われています。


ドパミン神経細胞が減ると、貯蓄できるドパミン量が絶対的に減るため、薬効が途中で切れて急に動けなくなる「ウェアリング・オフ」が出現してしまいます。また、貯蓄できるだけの量を超えたドパミンを多く補充すると、他のドパミン細胞に作用し、体が勝手に動くジストニアやジスキネジアが出現します。こういった副作用が強く出現するハネムーン期以降を進行期と呼んでいます。


パーキンソン病患者の平均寿命は一般的な平均寿命とさほど変わらないと言われていますが、パーキンソン病の罹患期間は15~20年程度と言われているため、ハネムーン期はさほど長くない印象です。


また、ハネムーン期だからといっても健康のころに比べると運動機能なども低下している場合がほとんどです。そのため、運動療法を積極的に行った方が、身体機能を維持できる可能性が高いため、初期から根気よくリハビリを継続していくことをおすすめしています。よく、もっと悪くなってから頑張ればよいと考える方もいらっしゃいますが、悪くなってしまった後に身体機能をもとに戻すことは困難です。


パーキンソン病というと「震え」をイメージする方が多いと思いますが、運動症状以外にも、認知症状や頻尿・便秘などの泌尿器症状(自律神経症状)も出現するため、ご本人だけではなく家族にとっても負担が大きくなる傾向にあります。そのため、症状緩和や進行抑制が重要となります。


鍼治療を検討される方の多くは進行期の方です。いわゆる標準治療(薬物療法、運動療法)ではなかなか改善しない方や副作用が強い方です。たしかに薬物療法や運動療法と併用することによって、相互作用から減薬や薬量の維持なども期待できますが、病状がだいぶ進行している場合は効果が限定されます。鍼療法に限りませんが、早期からのケアに取り組んだ方が効果をより実感できる印象です。

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