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パーキンソン病の方向転換時の転倒

パーキンソン病は「震え」「動作緩慢」「筋固縮」「姿勢反射異常」を4大特徴とする神経変性疾患です。運動症状以外にも便秘などの非運動症状も出ます。パーキンソン病自体が直接的に生命に危険を及ぼすことはないと言われていますが、嚥下障害による誤嚥性肺炎や転倒→骨折による長期臥床が問題となります。とくに、パーキンソン病は加齢が原因と言われているため、ロコモーティブシンドロームやフレイルの状態を作らないことが大切と言われています。


歩行時、パーキンソン病患者さんは運動リズムを取りづらくなるため、足がすくんでしまったり、思うように足が運べないということが起きます。「1,2,,,1,2,,,」と声掛けをしてあげたり、屋内の床に目印(テープなど)をつけると歩行が改善しやすくなります。階段やステップでは、階段自体が目印となるため平地歩行よりも上手に昇降が可能です。


歩行時に最も気を付けなければならないことは「方向転換時の転倒」です。パーキンソン患者さんの歩行様態は「小刻み歩行(歩幅が狭い)」ですが、リズムが取りづらいことと相まって、L字型の方向転換をするようになります。片足に体重をかけたその場での方向転換をすると、「姿勢異常反射」や「動作緩慢」と相まって容易に転倒をしてしまいます。


試してみるとわかりやすいと思いますが、健常者でも両足の幅を狭めた状態で肩を押されるとバランスを崩しやすくなります。逆に、肩幅まで開いた状態にして肩を押されるとバランスを崩しにくくなるはずです。そのため歩幅の狭くなりやすいパーキンソン病患者さんの場合は前者の状態となりやすいため転倒しやすいと言えます。


ではどのようにして方向転換時の転倒を予防するか?ですが、L字型のその場方向転換ではなく、方向転換するのではなく歩きながらゆっくりカーブを描きながら進行方向を変えていくことが大切です。なるべく安定した状態(直進)を維持することが大切です。複雑な動作にせず、一つの動作で完了することが大切です。その他のコツは①目線はなるべく前で遠くをみること、②踵から着地するようにすることが大切です。


動作数の違い

  1. その場方向転換:①直進→②停止→③その場で回転→④直進

  2. 直進しながらの方向転換:①直進しながらカーブを描く


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