中国鍼と日本鍼の違い
中国鍼と言えば「太くて長い鍼」を連想される方が多い印象です。また、日本鍼(和鍼:わしん)と言えば「細くて、管をポンポンと叩いて、、、」と言ったイメージでしょうか?実は両者の違いは、鍼先の形状や管の有無ではありません。
たしかに管鍼法は日本発祥と言われていて、杉山和一(1610~1694)による発明とされています。管に鍼を装填して頭をポンポンと叩く方法は管鍼法といって、刺入方法の一つであり、「中国鍼」か「日本鍼」かどうか?という区別にはなりません。中国鍼を用いた管鍼法も存在するわけです。
中国鍼と日本鍼の大きな違いはどこかというと、、、鍼柄(しんぺい)という持つ部分の形状が違う点です。日本鍼の鍼柄は一本の連続した棒(金属やプラスチック)で成型されていますが、中国鍼の鍼柄は金属のコイルを巻くようにして棒状にしているため、連続性がなく良くたわむ性質を持っています。このコイルで出来た鍼柄は龍頭(りゅうず)と呼ばれています。また、鍼柄の長さは一般的に中国鍼>日本鍼となっています。
臨床において、どのような違いがあるかというと、中国鍼の鍼柄がよくしなるため手技が行いやすいと言われています。また、中国で一般的な片手刺入法(鍼を片手で持って直接ブスっと皮膚に刺す方法)を行いやすいと言えます。
さいごに
当院では中国の特殊鍼法を提供していますが、日本鍼を使用することが多いです。鍼は道具の一つに過ぎません。鍼灸師や流派によって考え方は様々です。一概に中国鍼を使った方がよいであったり日本鍼を使った方がよいとも言えません。また、中国式であったり、中国鍼と言っても決して長鍼を使うわけでもありません。