留学していたと言うと、よく「太い鍼使うのか?」と聞かれます?「はい。」というと、「細い和鍼じゃものたりないでしょ?」「中国鍼は太いからな~」と言われます。
現在、私は「和鍼(日本鍼)」を使っています。φ24mmの4cm長のものです。カナケンさんが取引業者さんのため、「カナケンのディスポ輝 4本1パック」というものを使っています。なぜこれを使用しているかというと、本音は、中国鍼(カナケンさん)のφ0.25mmの4cm長のものを使用したいのですが、私は鍼管を使わないため、一本一本個別包装されている中国鍼は使いづらく断念しました。
ここで、気付いた方もいるかもしれませんが、「和鍼」と「中国鍼」は太さの違いではないのです。では、なぜそういった誤解が生まれたのでしょうか?
現在、ほとんどの鍼灸院では、φ0.16~0.20mmの鍼を使用しているとおもいます。私の学部時代もほとんどこの太さでした。中国では、基本的にはφ0..25~0.30mmのものが多いように感じました。このような傾向があるため、「中国で使用されている鍼は太いものが多い」⇒「中国(で使用されている)鍼は太い(ものが多い)」となっていったように思います。
では、中国鍼と和鍼はどこが違うのでしょうか?中国鍼の方が持ち手が長く、頭に龍頭(りゅうず)という滑りどめがついています。また、金属線を巻き付けたコイル状になっており、適度な弾力性があるため、手技に向いています。手技をするときに、これくらい適度な太さがないと、鍼がへたってしまい、上手く手技が行えません。
逆に和鍼の持ち手は短く、一本の棒状になっており、曲がったりしません。頭は地面に水平にカットされており、管を用いたさいに、頭をポンポンと叩きやすくなっています。「持ち手が短い=全体が中国鍼に比べて短い」ため、鍼の頭を叩打する際の横揺れが抑えられます。
「和鍼」と「中国鍼」最大の違いは形状(歴史的背景)だと思います。けっして中国鍼だから太い、和鍼だから細いというわけではありません。銀鍼などもありますが、私は触ったことがないので、経験を積み次第、またレポートさせて頂きます。