健康保険利用による往療(往診)

健康保険利用による往療

鍼施術は原則自費のため、健康保険利用が可能ということを知らない人も多い印象です。また、健康保険利用が可能ということを知っている方でも詳しい適応範囲や手順(流れ)を把握している方はまれです。往療(鍼灸などは往診とは呼びませんが、以下便宜上「往診」)に関しては、特定条件を満たす場合に限り、健康保険利用が可能です。


1)特定6傷病(適応症):

  • 神経痛

  • リウマチ

  • 腰痛症

  • 五十肩

  • 頚腕症候群

  • 頚椎捻挫後遺症:むちうち

2)健康保険利用の大まかな流れ:

  1. 上記の特定6傷病に該当する

  2. 書面で医師の同意を得る(同意書取得)

  3. 鍼施術開始

3)往診費用の一部が健康保険でまかなえる場合:

  • 独歩による公共交通機関を利用しての外出が困難

  • 認知症・視覚・内部・精神障害などにより単独での外出が困難

  • (直線距離が16kmを超えない)

健康保険利用の要件

原則として、健康保険利用で往診を受けたい場合は、以下の要件を満たしている必要があります。


要件まとめ:

  1. 適応症に該当する傷病に罹患している

  2. 医師の同意を受けている

  3. 外出が困難など明らかな理由がある

もちろん、上記の1および2に該当する場合は、健康保険利用での鍼施術を受けることは出来ますが、往診料(施術代とは別)は自費になります。また、3のみ満たす場合は、すべて自費(施術料+往診料)となります。


同一日・同一建物への往診のルール

そのほかに、同じ日、同じ建物で複数人の施術を行なう場合、施術所は一人分しか往診料を算定(健康保険の規定)できません。ただし、これは「二人目以降も健康保険利用」の場合に限られます。


自費のみの場合は、同一日・同一建物でも別途自費の往診料が請求される場合があります。同一世帯内の家族の場合は、まず請求されることは無いと思いますが、同一施設内や、同じ集合住宅内の別世帯などでは、請求される可能性は十分にあります。


また、健康保険利用であっても「二世帯同居」や「集合住宅の別棟」は同一建物とみなされません。わずかな距離しかなくても「規定上は、個々に算定」となります。


同一建物の定義:

  • 同じ集合住宅内の別世帯

  • 同一世帯内の家族

  • 同一施設内の別の患者


同一日・同一施設などでは誤解を生みやすい

同一施設などでは、患者さん同士が往診料が誰に算定されているか分かってしまう可能性も十分にあり、トラブルのもとになることがあります。


往診料は按分できないため、複数人に対して、なるべく均等な負担になるように調節をします。しかし、順番に算定したとしても、完全に同じ金額にすることは出来ません。見方によっては、「自分だけ多く払っている!」と感じてクレームを入れる方もいるようです。


気持ちも分かりますが、本来の考え方は、「たまたま同一日に誰かが施術を一緒に受けたため、一部費用が免除になった。」のはずです。けっして、「誰かの分を代わりに肩代わりしている」わけではありません。


さいごに

特定の要件を満たす場合に限り、往診料も健康保険利用が可能です。健康保険利用時には、1割負担で実質230円~、3割負担で実質690円~となります。また、公費利用の場合は負担割合なしです(諸雑費除く)。

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