健康保険利用は期限がある?ない?
健康保険利用は、一部還付金が給付されるため、負担減が可能です。保険適応範囲が6傷病+αと限られていたり、医師の同意書が必要であったりしますが、それらを考慮しても利用したほうがよい場合がほとんどです。
時々ですが、健康保険利用されている患者さんから「はりはとてもよく効いてうれしい。でもいつまで続けられるか心配で、、、健康保険利用を打ち切られたりしますか?」と聞かれます。
じつは、はりの健康保険利用には「いついつまでしか利用できません。」という決まりや「いついつを過ぎたら理由書を出して下さい。」という決まりはありません。「一年を過ぎて、かつ1ヶ月に16回以上の施術を行なった場合」のみ理由書がひつようですが、このルールは期限を定めるものではありません。
なぜ中長期利用が可能なのか?
以下の特定傷病が適応症となります。
健康保険利用可能な適応症(特定6傷病):
神経痛
リウマチ
五十肩
頸腕症候群
腰痛症
頚椎捻挫後遺症:むちうち
はりの健康保険利用対象は主に「慢性疼痛(長く続く痛み)※急性でも可」となっています。そのため、整骨院(接骨院)が健康保険対象としている急性外傷(ケガ)とは異なり、期限が定められていません。
継続のためのルール
では、(加入先の)保険者はどのように「健康保険利用の妥当性」を判断しているのでしょうか?それは、昨年度から明確化された「医師の同意書」で判断しています。
健康保険利用する前に診察を受けた上で同意を得なければいけません。もちろん、必要であればレントゲンなどの検査を受ける必要があります。また、6ヶ月毎の更新制となっており、更新にあわせて再度受診の上で同意書を取得しなければいけません。その際には、鍼灸師からドクターへの施術報告も必要です。
健康保険利用の決定は、ドクターにゆだねられています。外部でのチェックが必要なため、ブラックボックス化を防ぐことが出来ます。健康保険利用希望者の中には、煩雑なこの過程を嫌がる方も一定数いらっしゃるようですが、患者さん自身も悪意ある虚偽申告(傷病名を偽る)など不正請求から守られているという側面もあるため、決してデメリットだけではありません。
フローチャート:
施術所へ
施術所で説明をうける
医療機関受診
ドクターから同意書発行
施術所にて健康保険利用開始
さいごに
鍼灸院は、なにかと整骨院と間違えられやすいですが、健康保険利用対象や利用方法もまったく異なります。もちろん「治癒」してしまった場合や予防目的(同意書自体が降りない)での健康保険利用は出来ません。ルールを守ってしっかり施術を受けている限り、利用できなくなるということはありません。中長期的な利用が可能です。