健康保険利用時の注意点。無断での併療は止めましょう。

健康保険利用時には併療不可

鍼灸は健康保険利用が可能です。特定6傷病(痛みに関係するもの)に該当し、かつ医師(保険医)の同意を受けた場合に限られますが、重要なポイントとしては、「西洋医学との併療」を行なうことが出来ません。行なうことができないというよりも、「保険医の適当な治療手段がない場合」に限って健康保険利用での鍼灸が認められているため、「適当な治療手段がある場合(継続治療中)」は不可となります。


たしかに、様々な鍼灸も含め治療方法を試した方がよいというのは、患者さん含め一般的な考えかと思いますが、現行法では「認められていません」。そのため、併療希望の場合は、病院以外での治療はすべて自費となります。


当初は鍼灸で健康保険利用目的で同意書を取得したが、何らかの理由で西洋医学の治療を受けたい場合(転医希望)は、遠慮なく申し出てください。原則的に、治療方法の選択は、患者さんの意思に基づくものです。医療従事者が決定するわけではありません。


また、申告しない場合は、おもわぬトラブルとなる場合があります。


不支給ではすべて自己負担

申告せずに、併療を継続していると、数ヵ月後に加入している保険者から「不支給決定の通知書」が送付されてきます。不支給が決定すると、今までの費用はすべて自己負担する必要が生じます(立替の場合は還付されません)。


事前にご相談頂ければ、ある程度の助言は可能です。しかし、無断で併療されてしまった場合、遡って対応することはできません。出来る限り施術者に状況を伝えるようにしましょう。


審査請求が可能な場合はしっかりと対応しましょう

時には、(ルール上)併療では無い場合でも、保険者の意向で「不支給」となる場合があります。例えば、同意書では「神経痛(坐骨神経痛:おしりや下肢の痛み)」となっているが、「(病院で)肩や背中に湿布が処方されているから不支給」といわれてしまった、、、これは「病名(傷病名)」や「部位(場所)」の観点からも全くもって別物のため、「審査請求(不服申し立て)すべき」であることがわかります。


この審査請求も、患者さん(被保険者)の権利となります。なかには、躊躇されるかたもいらっしゃいますが、健康保険利用のルールに則って施術を受けている場合は、しっかりと対応すべきです。しっかりと声を上げなければ、保険者の決定を認めたことになってしまいます。


対応すべき理由としては、もちろん正しいことは正しいと主張すること、そして、今後も継続して施術を受ける上で「同様の理由で不支給扱いされない」ことが大きな理由となります。


さいごに

何かと「保険の方が安いから、、、なんでもかんでも保険がいい」という論調がありますが、実は健康保険利用時でも自己負担割合が変わるだけで、実際に支払われている報酬(動いているお金)は変わりません。ただし、保険者の財源を使用するため、責任が伴います。そのため、自費と違い厳しい目で見られることは致し方ないと思います。こういった煩わしさも含めて健康保険利用ということになります。


また、健康保険利用上、当事者は患者さん(被保険者)ご自身になります。もし不支給になってしまった場合、理由のいかんを問わず、当事者であること、そして、保険者の財源を使用していることを今一度思い返してみましょう。

最新記事

すべて表示

平素は当院をご利用いただきありがとうございます。 夏季休暇を下記のとおり頂いております。 サイト内告知が遅くなり申し訳ございません。 夏季休暇中は、電話は繋がりませんが、メールは対応可能です。 何かありましたらメールにてご連絡下さい。 夏季休暇: 令和4年8月11日~18日

鍼をすると、自律神経の副交感神経が優位になり「リラックス状態」になると言われています。そのため、鍼を刺したままベッドで安静にしている「置鍼・留鍼(ちしん・りゅうしん)」の最中には眠ってしまう方が多い印象です。よくカーテンの向こうからイビキが聞こえてきます。 「鍼を刺したままで痛くはないのか?」という質問を受けることがありますが、鍼が刺さった後は「するどい痛み」が持続することはありません。少しずーん

私は「絶対に治します。」「絶対に治ります。」「すぐ治ります。」とは明言していません。中には、「よくない鍼灸師(施術者)だ」と感じる方もいるかもしれません。 よく「同じ病気で悩んでいる患者さんは来られますか?」という質問をされます。病気だけで一括りにすると「はい。来ます。」と答えが出やすいですが、患者さんが本当に聞きたい答えは「来るか?来ないか?」といった簡単なものではなく、「その方はどういった経過