top of page

寒い季節には灸のセルフケアも

明日から12月となり、そろそろ冬の季節です。冷えや寒さにはお灸がよいと言われています。当院ではお灸は取り扱っていませんが、お灸のセルフケア指導は行っています。


お灸を施すうえで気を付けるポイントは火傷です。感覚障害の場合は熱さを感じないこともあるため禁忌となっています。また、重度の糖尿病など易感染傾向にある場合や易出血傾向の場合も同様に禁忌となっています。その他、傷口や皮膚疾患などがある場所にはお灸はすえないようにしましょう。


お灸は「悪いことをしたら熱いお灸をすえる」というイメージですが、熱さを我慢する必要はありません。せんねん灸などの台座がついている「台座灸(隔物灸)」が一般的ですが、熱は下方向に向かって進んでいくため、熱感を感じた時には熱は浸透しているはずです。がまんせずに台座ごとお灸を外して頂いて構いません。表面の皮膚がほんのりピンク色になる程度の刺激量で十分と言われています。水泡を形成したりする場合は刺激量が強すぎると考えます。水泡がやぶれると感染しやすくなるため注意が必要です。

せんねん灸の正しい使い方 - YouTube


台座灸のすえ方ですが、線香やチャッカマンなどでお灸に火をつけた後に患部に貼り付けて下さい。お灸を貼り付けた後にライターやチャッカマンで火をつけようとすると思わぬ火の勢いで火傷をする恐れがあります。もちろん、事前に水をいれたコップなどを準備し、火の処理を怠らないようにしましょう。火傷が起きた場合は十分に冷水で冷やした後に医療機関を受診して下さい。


お灸にはニオイの出ないものもあるため、好みに合わせて使い分けていくと良いでしょう。

煙のでないお灸 せんねん灸の奇跡 ソフト (sennenq.co.jp)


個人的には、養生に対して足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、太渓(たいけい)のツボがおすすめです。足三里は、胃経のツボで消化管の動きがよくなったり、食欲増進したり、疲労が取れたりと元気になる作用があります。三陰交は、腎経・脾経・肝経という三つの経絡が交わるツボです。腎は先天の精という本来もって生まれた力と関係があり、脾は後天の精という生まれたあとに備わった力と関係があります。そして、肝はいわゆる自律神経と関係があるため、三陰交は体の調子を整える作用があります。太渓は腎経の原穴のため、腎気を養い身体を強くする作用があります。


参考動画:

  1. ツボ・足三里 (あしさんり)|せんねん灸公式 「とっておき13のツボ 」 - YouTube

  2. ツボ・三陰交(さんいんこう)|せんねん灸公式 - YouTube

  3. ツボ・太渓 (たいけい)|せんねん灸公式 - YouTube


お灸に慣れてきた後は、上記の三穴に加えて、腹部の中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)、気海(きかい)のツボもおすすめです。この三穴は正中線上にあり、腹部の調子を整えてくれます。中脘はへそより上、気海と関元はへそよりしたにあります。


参考動画:

  1. ツボ・中脘 (ちゅうかん)|せんねん灸公式 「とっておき13のツボ 」 - YouTube

  2. ツボ・関元(かんげん)|せんねん灸公式 - YouTube

  3. ツボ 気海(きかい)|せんねん灸公式 - YouTube


ツボはせんねん灸のサイトにも紹介がありますのでぜひ試してみて下さい。

とっておきの13のツボ|せんねん灸 (sennenq.co.jp)


最新記事

すべて表示

末梢性顔面神経麻痺において、「単なる神経の機能不全による神経麻痺」なのか、「神経断裂が生じている神経麻痺」なのかでは、治療に対する考え方が大きくことなります。主な臨床症状はどちらも「顔面神経の損傷による表情筋の運動麻痺」ですが、実は性質が大きく異なります。 末梢性顔面神経麻痺の予後判定にはENoG検査が用いられます。これは、非麻痺側と麻痺側を比較し、「神経の活きている割合」を客観的に調べる方法です

末梢性顔面神経麻痺の鍼治療において、麻痺からの回復自体をサポートすることはもちろんですが、表情筋の拘縮等の後遺症を起こさないようにすることも治療目的の一つです。当院では、必要に応じたセルフケアの指導(後遺症予防)を行っています。ただし、すべての症例において、一回二回の施術で劇的に麻痺が改善するというわけではありません。中等症・重症例の場合は動きが出てくるまでに、数カ月掛かることがあります。 人によ

末梢性顔面神経麻痺ではENog検査(誘発筋電図検査、客観評価)と柳原法(表情をつくってもらいながら程度を観察して調べる方法、主観評価)で主に評価を行います。顔面神経麻痺発症から徐々に機能が失われていき、一週間過ぎた辺りがピークとなります。ピークに合わせてENog検査を行い、生きている神経がどの程度か?を評価します。10日~14日程度に行ったENog検査の数値は信頼性が高いと言われています。 末梢性

bottom of page