よくあることですが、、、
「左肩が痛かったのに、鍼をしたら右肩が痛くなった!」と言われることがあります。
前回来院された時は左の肩こりがあって、今度は右肩がこる、、、
「鍼のせいで痛みが出たのではないか?」
「左肩の痛みが右肩に移ったのではないか?」
といった疑問が出てくるかもしれません。
1.人間の体は痛いところを認識しやすい
実は、人間の意識は一番痛いところや、つらいところに集中しがちです。
実際は、左も右も肩こりがある状態だったけれども、左の方が痛みが強い、、、
そのため「左肩がこっている」としか認識していません。
2.痛みがとれると、別のところの痛みに意識がいきやすい
左肩に鍼施術を行うと、左側の痛みが取れていきます。
すると、左肩の痛みに隠されていた「右肩のこり(痛み)」が気になってきます。
患者さん自身の感覚としては、突然右肩が痛くなったように感じるわけです。
3.鍼をしたせいで痛みが反対側に出たりすることはない
鍼は「怖い」「痛い」といったイメージがつきものです。
そのせいか、なにかと鍼のせいにされる傾向があります。
まれに鍼をした直後から1~2日の間、「鍼感(鍼をした後の感覚)」が残る場合がありますが、悪性の反応ではありません。
そして、鍼のせいで反対側に痛みが移動することもありません。
もとからある問題(持病)が原因の場合が多いです。
バイアス(思い込み)の可能性も少なくありません。
4.他に何か原因はないか?
よくよく考えてみると、、、
「長時間同じ姿勢でパソコンに向かっていた」であったり、「ハードな筋肉トレーニングをした」であったり、、、
原因になるようなイベントはありませんでしたか?
人間の意識というものは非常におもしろいものです。
相対的に痛みが強いところは「痛い」と感じやすく、相対的に痛みが弱いところは「痛くない」と感じやすいという特徴があります。
実際にこういった反応が出ているということは、、、
「左肩のこりが解消された(気にならなくなった)」という意味合いもあります。
極端に鍼を怖がらずに、そして疑問があれば素直に鍼灸師に尋ねてみてください。
鍼灸師は「はり・きゅう」の専門家です。きっとお役に立てると思います。