実は、はり・きゅう・按摩マッサージ指圧(以下、マッサージ)などは「業務独占」といって、「国家資格保有者」以外は、業としてこれを行ってはならないと規定されています。
たしかに、はり・きゅうにおいては、「鍼を刺す」「お灸をすえる」わけですから、マッサージに比べて一般の方が真似事でやるようなものでもなさそうですが、ことマッサージに関しては手技療法(徒手療法)ということもあり、この「真似事」が横行しているわけです。
巷でのイメージはどんなものでしょうか?整骨院や整体院・カイロでやるものが「マッサージ」だというイメージが強いかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?いくつかのポイントに分けて述べていきます。
1.マッサージを施術する為には国家資格が必要
「マッサージ」を行うためには、国家資格を取得する必要があります。認定校や養成機関などでの3年以上の終業年限をおさめ、無事に国家試験に通過したもの、または医科(医師)のみがマッサージを行うことが出来ます。
2.その他有資格者によるマッサージはどうなの?
実は、はり・きゅう・柔道整復師・理学療法士など、、、その他有資格者が「マッサージ」を行うことは出来ません。有資格者といっても、マッサージの資格者ではありません。バイクの免許で車を運転してよいでしょうか、、、当然だめですよね?。資格がなければ「マッサージ」をすることが許されていないのです。
3.白衣を着ていても整体・カイロ・揉みほぐしは医療従事者ではない。
日本において、整体・カイロ・揉みほぐしと言った資格は存在しません。アメリカで認可されているから大丈夫!、、、といったことは通用しません。すべて無資格です。当然ですが「マッサージ」ではありませんし、医療従事者でもありません。これら無資格は「リラクゼーション(※法的資格制度がないため)」にカテゴライズされており、「マッサージをして、症状の改善を促す」ものではなく、あくまで「心地よさ」を提供することが目的となっています。
4.「マッサージ」はよく効かない?それって本当?
よく「マッサージは効かない」ということを耳にします。よくよく話を聞いていると、前述したような「無資格自称マッサージ」を受けている場合がほとんどです。マッサージ師以外の行う「自称マッサージ(整体・カイロなど)」は「リラクゼーション」です。その時、その瞬間に体を触られて気持ちがよい、、、本来の目的はこれです。改善しなくて当然です。
5.無資格による事故が多い。
無資格者(整体・カイロなど)が背骨を過度に圧迫して骨折を引き起こしたり、自ら考案した危険な方法で首を捻って怪我をさせてしまったり、こういったことは実際に起こっています。参考:https://www.sankei.com/west/news/161214/wst1612140059-n1.html
骨粗しょう症やリウマチで身体症状(変形)が出ていたりする場合は、「素人(無資格者)」が見ても「どこかおかしい」と気付くかもしれませんが、無症状の場合はどうでしょうか?「骨折」や「頸椎脱臼」などの事故が起きてからでは遅いと言えます。
6.まずは利用しようとしている自分自身が把握すること
当事者は自分自身です。日本の医療制度はどのようなものか?無資格者と有資格者の違いは?ご自身の症状にはどのような療法が最適か?こういったことを把握することが重要です。
「私はそんなことにだまされない!」と思っていても、店頭に「○○の症状を治します!」と書いてあれば気になって入ってしまうかもしれません。まさか、「リラクゼーション(無資格)が治すなんて標榜しているとは思わないでしょう。」。※国家資格者は適応症などは広告できない。
安易に治療目的で無資格者の門を叩かないことです。自称運転上手な無免許ドライバーの車に乗りたいですか?私は絶対に乗りたくありません。
マッサージは「マッサージ師」のもとで、はり・きゅうは「はり・きゅう師」のもとで、急性外傷(捻挫・脱臼など)は「柔道整復師」のもとで受けましょう。リラクゼーションは「治療をうたわないリラクゼーション施設」で受けましょう。
お悩みの症状があれば、まずは医科を受診して下さい。私も医科受診をすすめています。