歳を取ってくると、「物忘れ(忘れっぽい・ど忘れ)」が気になってくる方もいると思います。この物忘れですが、中には、認知症前駆症状の軽度認知障害(MCI)などが隠れている場合があるので、専門の医療機関の受診をおすすめします。
しかし、ご家族に頼んで簡単にチェックする方法があります。MMSE(Mini-mental-state-examination/ミニメンタルステート検査)というものです。これは、パソコンなどの複雑な機械などは必要なく、問診を行うことによって、記憶・見当識障害を点数化できるというものです。ヤフー・グーグルなどの検索エンジンで「MMSE」と検索すれば、やり方が出てきます。
注意点として、このMMSEだけで認知症かどうか確定診断できません。なぜなら、その人の社会歴や学歴、その日の体調など複雑な背景によって点数が変わってきてしまう可能性があるからです。そのため、脳画像などで最終的な決定を下します。しかし、当院でも一か月に一回、状態の指標として検査し、情報を提供しています。個々の点数がどれだけ変動したかも重要な役割をもつのです。
MMSEですが、健康成人では基本的に27点以上となります。それ以下、特に22を下回るようですと、結構な確率で認知症が疑われます。27点を切ってしまった場合は軽度認知障害の可能性も十分に考えられます。予防的な観点では、「あれ?この前より点数が下がってきたな。」と気付いた場合は、早めの医療機関の受診が必要です。特に、軽度認知障害の段階から1年に10%の方が認知症に移行する可能性があるからです。また、認知症の方は、「ごまかし行為」を行いやすく、例えば物忘れが出た場合は、「今日は、疲れてたから忘れちゃった」とか、または、相手の話に合わせてくるようなことが多いです。そのため、周りの方も気のせいかと見過ごしてしまう場合もあります。
医療機関での受診に二の足を踏んでいる方の中には、「重篤な問題だったらどうしよう・・・」とか「自分(または家族)が認知症なんてありえない・・・」と悩んでいる方は多いと思いますが、検査をすることによってご自身またはご家族がどのような状況なのか知ることができるため、早期の受診が必要となります。
当院では、物忘れの方に鍼灸治療(三焦鍼法)を行っています。症状が軽ければ軽いだけ周辺症状の改善が見込めます。鍼灸治療は投薬管理と並行して進めていけるため、飲み合わせなどの心配もありません。当院は、同建物内の関田医院と連携し、管理・治療をおこなっています。興味のある方は、気軽にご相談ください。
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