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東洋医学の治療法には副作用がない?

よく耳にするのは、「西洋薬には副作用があるけれど、漢方や鍼灸などの東洋医学的治療方法には副作用がないから安心ですよね?」「西洋薬は肝臓や腎臓に悪いから、漢方にすべきでしょうか?」という声です。果たして本当にそうでしょうか?


効果と副作用とは本来もとを辿っていけば、何かしら起きる作用のことです。私たちが便宜上、よい作用=効果! 悪い作用=副作用! として使っています。


では、本題に戻りますが、「効果はあるが、ものによっては強い副作用もあるでしょう。」というのが正解です。漢方薬も甘草などを含んでいるものは肝障害を起こしやすいため長期服用はNGです。また、鍼灸治療でも刺激が強すぎれば一時的な貧血などを生じます。


鍼灸治療は出血しやすくなる薬とは相性が良くないですが、投薬ではないため、投薬治療との並行利用がしやすいということが挙げられます。結構万能なんです。なんでも鍼灸しとけばいいよ!となりたい所ですが、医療費などの負担面を鑑みると、投薬で済むなら、わざわざ鍼までしなくても・・・と言うのが本音ではないでしょうか。投薬量を減らしたい!はやく効果を上げたい!という方には鍼灸治療の併用をおすすめします。また既存の方法では効果がなかった!ー鍼灸治療を試してみこういう方にもおすすめです。鍼灸治療は疼痛緩和や神経疾患に対し有効であると言われています。


西洋薬、漢方薬、そのほか鍼灸治療などでも得意なこと、不得意なことがあります。トータル的に考えて、これが最善だ!という組み合わせを見つけることが吉でしょう!

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