歩く時は両脚を肩幅まで開いてみましょう
よく、「歩いているとフラフラする」であったり「歩くのに自信がない」というお話を耳にします。こういった場合、まずは歩行確認をします。よくあるパターンは、両脚の幅が極端に狭い、いわゆる「モデルウォーク(モデル歩き)」になってしまっていることが多々あります。
モデルウォークとは、足元から遠方に引いた一本の線に沿って歩くような歩き方です。前方からみると両脚の空間が見えないことから、非常に見栄えがよく、正しい歩き方のように見えます。しかし、幅が狭いため、綱渡りをしているのと同じ歩き方とも言えます。そのため、実は非常に不安定な歩行状態です。
正しい両脚の幅は、いわゆる「肩幅」ですが、なかなかイメージがわかない方も多いのではないでしょうか?頭でわかっていても、「では肩幅に開いて、、、」と言われると、どの位置を「肩幅」とすべきなんだろうと思うはずです。
一番簡単な位置の決め方は、左右どちらかから軽く押してもらいながら、力の入りやすい両脚の幅を確認することです。両脚の幅が狭すぎると、軽く押された時に、バランスを崩してしまいます。逆に、力が入りやすいからと行って極端に広げ過ぎると、膝が曲がらず足が前に出なくなります。足が前に出ないと歩行が出来ないため、これは幅を広げ過ぎと言えます。そのため、狭い幅から徐々に広げていき、十分に力が入る位置を「正しい両脚の幅=肩幅」とします。
この肩幅を保ちながら歩行の練習をしてみて下さい。思ったよりも力が入り、フラフラ感は減るはずです。数歩歩いてフラフラ感が戻ってしまう場合は、歩行とともに幅が狭くなっていってる場合がほとんどです。どうしても幅が狭くなってしまったりする場合は、床にテープを貼ったりして適切な幅がわかるようにするのも一つの方法です。
中には、足がどうしても上がらない、どうしても足を前に出せないと言う場合もあるかもしれません。そういった場合は、関節可動域の問題や筋力不足も考えられるため、幅の改善(姿勢)以外にもストレッチや筋力トレーニングが必要となります。歩行速度や歩幅はサルコペニア(全身の筋肉量と筋力が低下し身体能力が低下した状態)の診断基準となるため、注意が必要です。