top of page

片麻痺、顔面神経麻痺などの神経麻痺には早期から鍼を試してみてはいかがでしょうか?

脳卒中(脳梗塞、脳出血)に伴う片麻痺や、または顔面神経麻痺などの末梢神経障害は、半年を経過すると予後はプラトー(平坦)になる場合がほとんどです。なかには6ヶ月以降も回復していく場合もありますが、一般的には6ヶ月~12ヶ月が目安と言われています。


ご存知の方もいるかと思いますが、脳卒中発症後6ヶ月を過ぎると後遺症期となり、保険利用によるリハビリの回数も制限されていきます。後遺症期に突入した後、自費リハビリを探したり、鍼灸院に掛かり始める方がいますが、すべての方が後遺症期に入ってすぐにこれら代替療法にマッチングするわけではありません。


相談に来られる方の中には、発症から数年経過して症状が固まってしまった状態で来られる方もいらっしゃいます。そのような場合は、残念ながら状態の維持や痛みの軽減はできても、すぐに回復していくということはありません。回復するような場合でも年単位での施術が必要です。


当院で提供している 「醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)」は1970年代に中国天津で開発された脳卒中後遺症に対する鍼灸処方です。現在でも積極的に研究、臨床応用されており、 国家重要研究課題に指定されています。


「醒脳開竅法」は急性期から後遺症期まで使用します。早期介入の治療成績がもっとも高く、現代医療と同じように後遺症期での治療成績は急性期、亜急性期、回復期に及びません。鍼灸療法も早期介入が重要であるということです。


入院していて外出できない場合や、どうしても鍼灸療法を受けられない場合を除いて、試せるのであれば、6ヶ月を待たずに鍼灸療法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

最新記事

すべて表示

末梢性顔面神経麻痺において、「単なる神経の機能不全による神経麻痺」なのか、「神経断裂が生じている神経麻痺」なのかでは、治療に対する考え方が大きくことなります。主な臨床症状はどちらも「顔面神経の損傷による表情筋の運動麻痺」ですが、実は性質が大きく異なります。 末梢性顔面神経麻痺の予後判定にはENoG検査が用いられます。これは、非麻痺側と麻痺側を比較し、「神経の活きている割合」を客観的に調べる方法です

末梢性顔面神経麻痺の鍼治療において、麻痺からの回復自体をサポートすることはもちろんですが、表情筋の拘縮等の後遺症を起こさないようにすることも治療目的の一つです。当院では、必要に応じたセルフケアの指導(後遺症予防)を行っています。ただし、すべての症例において、一回二回の施術で劇的に麻痺が改善するというわけではありません。中等症・重症例の場合は動きが出てくるまでに、数カ月掛かることがあります。 人によ

末梢性顔面神経麻痺ではENog検査(誘発筋電図検査、客観評価)と柳原法(表情をつくってもらいながら程度を観察して調べる方法、主観評価)で主に評価を行います。顔面神経麻痺発症から徐々に機能が失われていき、一週間過ぎた辺りがピークとなります。ピークに合わせてENog検査を行い、生きている神経がどの程度か?を評価します。10日~14日程度に行ったENog検査の数値は信頼性が高いと言われています。 末梢性

bottom of page