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独歩困難の場合は、無理せず往診依頼を。慢性疼痛の場合は健康保険利用も可。

健康保険利用による往診

鍼灸は、あまり往診というイメージがありませんが、健康保険による往診(往療)が可能です(特定6傷病)。介護保険によるサービスのイメージから要支援・要介護の等級による限度額が気になる方もいるかと思いますが、鍼灸は介護保険ではないため、等級による限度額は存在しません。


一年を超えて、かつ一月に16回以上の施術を受ける場合のみ、理由書が必要となります。また、鍼灸の療養費支給対象(適応症)である特定6傷病は主に慢性疼痛にあたるため、時間制限などは存在しません。


特定6傷病:

  • 神経痛

  • 腰痛症

  • 頸腕症候群

  • リウマチ 

  • 五十肩

  • 頚椎捻挫後遺症


そのほかに、医師の同意書が6ヶ月毎に必要になりますが、必要に応じて、健康保険適応による往診を受けることが出来ます。


どういった方におすすめ?

健康保険利用可能な場合で、要支援・介護、独歩による通院困難な場合(認知症なども含む)は、往診料(往療料)も健康保険適応となります。そのため、ご家族に連れられて、タクシーを利用して、、、といったケースの方は、往診による施術に切り替えされた方が介助や交通費の面で負担を減らすことが出来るはずです。


往療料:

  • 4km以内:2300円

  • 4km以上:2700円

※16kmを超えない範囲


往療料は2300~2700円のため、別途交通費(施術者分)が掛からなければ、負担額は、1割で230~270円、3割で690~810円となります。もちろん公費負担であれば健康保険利用部分は0円となります。


実質負担分(当院の場合):

  • 2300円(往療料)+1540円(施術料)+660(自費) = 1044円~

※往療料と施術料は健康保険利用可能

※場合によっては要交通費


健康保険利用上の注意点

医師から往診が認められても、往診と外来受療(鍼灸)が混在しているような場合、他の不適応症部分だけで施術を受けた場合は、保険者判断で往療料は不支給となる場合があります。


不支給対象例:

  • 通院がめんどくさい時に往診を要請したい

  • 今日は冷え性(保険適応外)で鍼を受けたい


また、健康保険利用時は、(鍼灸で同意を受けている)同一傷病に対する治療を受けると不支給対象になるため注意が必要です。


併療による不支給例:

  • 腰痛で往診を受けている期間に、腰に湿布や塗り薬を処方された

  • 五十肩で往診を受けている期間に、肩へ温熱療法のリハビリを受けた

  • 神経痛で往診を受けている期間に、リリカやビタミン剤などの薬を処方された

※病院での治療が優先されます。診察や検査は治療に該当しない。


さいごに

鍼灸の健康保険利用は、あまり周知されていません。しかし、上手に利用することによって在宅で鍼灸施術を受けることが出来ます。介護保険とは違い、等級による限度額もありません。また、公費負担助成も受けられます。ぜひご相談下さい。


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