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  • 執筆者の写真三焦はり院

痛みが強い場合は鍼の併用も!痛みが脳で記憶されないためにも早期からの十分なケアが必要です。

痛みに対する治療方法

痛みに対する治療方法は様々です。


例えば、痛み止め内服薬。痛み止めではノンステロイド(NSAIDs)のものからステロイド、そして医療麻薬と幅が広いです。ロキソニンやボルタレンなどが処方されることが一般的ではないでしょうか?


また、局所麻酔剤の注射(トリガーポイント注射, TP注射)などの神経ブロック療法が用いられることもあります。


神経ブロックの意義:

知覚神経ブロックによる除痛効果」、「交感神経ブロックによる血行改善効果」、そしてこれらの作用に基づく「痛みの悪循環を遮断する効果」にあります。 神経ブロックの効果は、病変部位に限局して発揮できる点も特徴的です。


そして、鍼療法も「痛み」に対し臨床現場でよく用いられます。この場合は、TP注射のように、「血行改善による痛みの悪循環の改善」や「閾値の上昇(痛みを感じにくくなる)」、「中枢神経系からの痛みの抑制」が起き、鎮痛作用が働くと言われています。


TP注射も鍼療法(TP鍼療法)も、特定の圧痛点(鍼では阿是穴という)に作用させるという点では、とても良く似ています。


肩・腰・背部・頚部痛の場合

例えば、最初は痛み止めを内服や湿布などであまり効果が出ない場合、TP注射による「痛みの悪循環の改善」が行われることが多々あります。そして、TP注射でも痛みがまだ残る場合は、「鍼療法」を追加して相乗効果を狙います。


この流れは、まずは医科による標準治療、そして、代替医療としての鍼療法を補助的に使うといったものです。多くの場合は、ドクターと連携を取りながら鍼を行います。


鎮痛の一例:

① NSAIDs内服薬や湿布

② TP注射による神経ブロック

③ 鍼


実際に、①や②を経て痛みが消失しない、痛みが残存している場合、鍼併用による相乗効果を期待し痛みの更なる軽減を目指します。鍼療法は、薬物療法に比べ侵襲性が少なく、副作用もほとんどありません。腎臓や肝臓への負担や、多剤服用によるリスクもありません。


そのため、痛みが取り切れない、または、もっと痛みを取りたい場合は、鍼を検討することも重要です。


治療方法は無理にどれかひとつに絞らない、我慢しない

痛みをコントロールすることによって、日常生活をより快適なものに出来るはずです。寝返りをうつだけでも痛い、フライパン返しが出来ない、痛くて歩けない。こういった時には、〇〇だけでいいやとは思わず、痛みをなるべく取るようにして下さい。


近年では、「痛みは脳で記憶される(中枢性感作)」ことがわかってきています。痛みの原因がなくなっても、脳に記憶された痛みは慢性疼痛として残ってしまいます。この長引く痛みを起こさないためにも、痛みのケアを早期から十分に行う必要があります。


おわりに

痛みがあるとき、なぜ薬を飲んだり、湿布を貼ったり、鍼をしたりするのでしょうか?それは、単純に痛みを取るためです。下手に我慢したり、下手に治療方法を制限する必要はありません。痛みが取れないばかりか、痛みが記憶されてしまっては元も子もありません。


NSAIDsでは胃腸障害、湿布薬ではかゆみなどの皮膚症状が出る場合があります。こういった方にも鍼は安心して受けて頂くことが出来ます。また、すでにたくさんの薬を服用していて「多剤併用」で心配と言う方も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?


「つらい痛みが続くけど、ロキソニン飲んでるから鍼はいいや。」とは思わずに、西洋医学だけ、東洋医学だけではなく、双方を上手く活用してみることも大切です。

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