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痛みと通院回数の関係性。「どれくらい通えばよいですか?」について考えてみる。

「どれくらい通えばよいですか?」と言った質問が一番多いです。このどれくらいには「週何回」と「全部で何回」といった意味が含まれている場合がほとんどだと思います。

 

まずは、いったいどれくらいかかるのか?といったところですが、ぎっくり腰などの急性腰痛症とかであれば、一週間前後で軽快する場合がほとんどです。そのほかに、筋肉痛(遅発性筋通症)なども同様に一週間前後で軽快します。そうなってくると、鍼灸治療の介入目的は、「痛みのケア」と「回復促進」になってきます。

 

「痛みのケア」ですが、最初に断りますが、痛みがゼロになることはほとんどありません。しかし、例えば「寝れないくらい痛い」とか「歩くのもしんどい」といった症状が「痛いがとりあえず生活する上では困らない」程度になっただけでも生活の質(QOL)が改善されたわけですから、鍼灸治療としては良い結果がでたと考えて差し支えないと思います。痛みが全部なくならないから効果がないということはありません。

 

次に「回復促進」ですが、刺鍼によって、局所の血流量があがり、回復が促進されます。また先ほどの痛みのケアですが、これも血流量があがることによって痛みが緩和されていきます。こういった面で鍼灸治療をおすすめします。特にスポーツなどをやられている方で、一日でも早く調子を整えたいといった場合は、筋肉痛に対する治療一つとっても極力取り込んでいきたいというのが本音ではないでしょうか。

 

しかし、来院する方は全てが全て急性疾患ではありません。とくに慢性疾患などの場合は、状態にもよりますが「まず治らない(完治)」といった場合がほとんどです。特に鍼灸院にこられる方は、すでに整形外科やクリニックなどへの通院暦が有る方・高齢者がほとんどで、ある種「次は鍼灸治療を試してみよう」という考えで足を運んでこられます。

 

来院される慢性疾患で一番多いのが、「膝・腰・首・肩の痛み(退行性病変がほとんど)」です。中国医学的には「痛証」という分類に入ります。治療する場合もキーポイントは「痛み」です。そのため、「痛みが緩和されている期間が一週間であれば、週1回」、「3日間であれば、週2回」といった具合に治療回数を設定していきます。同じ疾患でも、症状や生活習慣、年齢などによっても様々です。あの人は多い、この人は少ない通院回数かもしれません。中には「忙しい」とか「経済的な理由」で通院回数が多く出来ない場合もあります。後者の場合はいろいろと対応が難しいですが、前者の場合は、お灸などのセルフケアを交えたりしながら治療を進めていくなどの方法も考えられます。うまく付き合っていくといった考え方が一番近いと思います。

 

そのほかに、進行性の病変で困っている方の場合は、徐々に回数が増えていきます。

 

もし利用者さんが鍼灸治療を受けよう!と考えた場合は、治療院の先生と相談の上、適切な治療回数を設定するべきだと思います。そして、納得した上で治療を根気良く続けていくことが一番だと思います。

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