筋肉の伸縮性と腱付着部の痛みの関係性。筋肉への鍼灸治療で痛みを緩和できる?

関節運動は、筋肉・腱・骨の作用で成り立っています。体が硬くなった場合、腱の付着部(端っこ・骨)に痛みが出る場合があります。この痛い所だけを擦ったり、マッサージしたりしても一向に良くならないことが多々あります。それは何故なのでしょうか?

 

筋肉の役目は、筋肉が弛緩したり、収縮することによって人間の関節運動が起き、様々な運動を行うことが出来ます。この伸び縮みする部分(筋)は動きやすくなっていますが、関節などに付着する部分である腱はあまり伸び縮みしません。

 

筋肉は伸び縮みできているうちはクッション性(柔軟性)があるため、腱付着部に痛みが出ません。しかし、筋肉が何らかの原因によって固くなったりすると動きが悪くなり、当然クッション性も失われてしまいます。そうなると、腱が付着する部位などに痛みが起きてきます。

 

逆上がりなどをする時に使う鉄棒を例に挙げると、鉄棒を固いものでたたくと、衝撃は支柱と鉄棒全体に伝わります。この鉄棒がクッション性に富んでいた場合、鉄棒を思いっきり上からたたいても、衝撃は支柱のほうまでは伝わらず、支柱と鉄棒の接合部にはダメージが蓄積しません。この2種類の鉄棒を叩き続けると、固い鉄棒の方が、早く壊れてしまうはずです。

 

筋肉は、上の鉄棒と同じです。「支柱を骨」、「鉄棒を筋肉(筋・腱)」、「叩く行為を運動負荷」とすると、負担を減らすうえでも筋肉のクッション性が必要であることがわかります。そのため、伸び縮みしない腱を重点的に治療するよりも、固くなった筋肉のクッション性を取り戻すことが重要となるのです。腱付着部の痛みもそうですが、固くなった筋肉は血流量が低下しますので、痛みが起きやすく、また痛みが取れにくいといった現象(痛みの悪循環)が起きやすくなります。

 

こういった痛みが起きた場合、筋肉の運動や、付着部位からどの筋肉が障害されているか?を素早く特定し、筋肉に対し治療をしていきます。鍼灸治療であれば、障害されている筋肉にパルス鍼(鍼を2本刺して電気をながす)をしたり、筋肉に対して排刺(列になるように鍼をさしていく方法)をしたりします。こうすることによって血流量が飛躍的に上がり、クッション性が戻ってきます。

 

筋肉(体)が柔らかくなっていくと、必然的にケガをしにくい体になります。そのため、痛い腱付着部を擦ったりマッサージしても根本的な解決方法とは言えないのです。そして痛みもとれづらいはずです。ケガを予防する上でも運動前後にはストレッチを心がけましょう。

最新記事

すべて表示

平素は当院をご利用いただきありがとうございます。 夏季休暇を下記のとおり頂いております。 サイト内告知が遅くなり申し訳ございません。 夏季休暇中は、電話は繋がりませんが、メールは対応可能です。 何かありましたらメールにてご連絡下さい。 夏季休暇: 令和4年8月11日~18日

鍼をすると、自律神経の副交感神経が優位になり「リラックス状態」になると言われています。そのため、鍼を刺したままベッドで安静にしている「置鍼・留鍼(ちしん・りゅうしん)」の最中には眠ってしまう方が多い印象です。よくカーテンの向こうからイビキが聞こえてきます。 「鍼を刺したままで痛くはないのか?」という質問を受けることがありますが、鍼が刺さった後は「するどい痛み」が持続することはありません。少しずーん

私は「絶対に治します。」「絶対に治ります。」「すぐ治ります。」とは明言していません。中には、「よくない鍼灸師(施術者)だ」と感じる方もいるかもしれません。 よく「同じ病気で悩んでいる患者さんは来られますか?」という質問をされます。病気だけで一括りにすると「はい。来ます。」と答えが出やすいですが、患者さんが本当に聞きたい答えは「来るか?来ないか?」といった簡単なものではなく、「その方はどういった経過