top of page

花粉症やアレルギーへの鍼灸治療ではどのツボを使うのか?

花粉症って辛いですね。目のかゆみや鼻づまり、どうにかしたいですね。花粉症はアレルギー反応からくるもので、アレルギー反応とは、自分の体にある免疫システムが過剰に働いてしまった結果です。そのため、くしゃみ・鼻水・涙といった反応は、アレルゲンを体から吹き飛ばしたり、体液と一緒に外に洗い流したりといった防御反応と言えます。

 

投薬治療では、アレルギー反応の予防と抗炎症に対して治療を行う場合がほとんどだと思います。鍼灸治療では、対症療法と体質改善を主に行います。

 

鍼灸の対症療法として、まず、前回もお話した「督脈」が鼻を通過することから、この経絡上のツボを使います。例えば「上星」という前髪の生え際で前正中線のところにあるツボなどです。他には、鼻翼のすぐ脇、ほうれい線の上にあるツボ「迎香(大腸経)」、名前のとおり香を迎えるわけですから外せません。そこから、少し上に上がったところ(鼻柱の脇)に、「鼻通」というツボがあって、これも名前の通り、鼻を通す役目があります。また、鼻柱の付け根、よくインド映画などで女性が赤い点をつけている「印堂」などもよく使います。目のかゆみには、目頭にある「晴明」や、こめかみにある「太陽」など目の周りのツボを使います。


対症療法ツボ 1)上星 2)迎香 3)鼻通 4)印堂 5)晴明 6)太陽など


体質改善はなかなか難しいため、漢方などの服用が望ましいです。一般的にアレルギーは「血熱」と関係があると言われているため、鍼灸治療ではそれを調節するツボを使います。例えば、膝小僧の上内側、筋肉の盛り上がった部分にある「血海」や、肩甲骨の下縁の高さ・背骨の少し脇にある「膈兪」など。これは血の調節作用があるツボです。また、肘関節付近にある「曲池」や第七頚椎(首の付け根)のでっばりの下にある「大椎」を使います。これは熱を取る作用のあるツボです。


体質改善のツボ 1)血海 2)膈兪 3)曲池 4)大椎など

 

その他に背中全体にカッピングをしたりするのも良いと思います。どうしても即座に鼻づまりを改善したい場合は、つまっている鼻の反対側の脇の下にモノ(ペットボトルなど)をはさむといった方法もあります。興味のある方は一度試してみてください。

最新記事

すべて表示

末梢性顔面神経麻痺において、「単なる神経の機能不全による神経麻痺」なのか、「神経断裂が生じている神経麻痺」なのかでは、治療に対する考え方が大きくことなります。主な臨床症状はどちらも「顔面神経の損傷による表情筋の運動麻痺」ですが、実は性質が大きく異なります。 末梢性顔面神経麻痺の予後判定にはENoG検査が用いられます。これは、非麻痺側と麻痺側を比較し、「神経の活きている割合」を客観的に調べる方法です

末梢性顔面神経麻痺の鍼治療において、麻痺からの回復自体をサポートすることはもちろんですが、表情筋の拘縮等の後遺症を起こさないようにすることも治療目的の一つです。当院では、必要に応じたセルフケアの指導(後遺症予防)を行っています。ただし、すべての症例において、一回二回の施術で劇的に麻痺が改善するというわけではありません。中等症・重症例の場合は動きが出てくるまでに、数カ月掛かることがあります。 人によ

末梢性顔面神経麻痺ではENog検査(誘発筋電図検査、客観評価)と柳原法(表情をつくってもらいながら程度を観察して調べる方法、主観評価)で主に評価を行います。顔面神経麻痺発症から徐々に機能が失われていき、一週間過ぎた辺りがピークとなります。ピークに合わせてENog検査を行い、生きている神経がどの程度か?を評価します。10日~14日程度に行ったENog検査の数値は信頼性が高いと言われています。 末梢性

bottom of page