認知症に対する鍼灸の取り組み
現在、老人病研究会(日本医科大学)が認知症に対する鍼灸の取り組み「認知症専門鍼灸師GOLD-QPD」を行っています。文科省の委託推進事業として、カリキュラムの作成や、教育、啓蒙なども行っています。
もとは中国天津中医薬大学第一付属病院の韓景献教授の2008年に提唱した「三焦気化失常と老化の相関論」を鍼灸治療法の処方として発展させた「三焦鍼法」がベースとなっています。
本来は、「老化予防(アンチエイジング)」の鍼法であり、認知症以外でもパーキンソン病・メージュ病・多系統萎縮症・小脳性病変・脳血管障害後遺症など神経変性疾患などにも効果を上げています。
老人病研究会の川並会長は、高齢化社会に伴う認知症患者増加に対し、何かよい治療方法はないか?と模索検討したところ、韓景献教授の論文がヒットしたと話されていました。まさに天使の黄金の矢に打たれたようだったとの事です。
その後の流れは、韓景献教授を開発者として招聘し、セミナー開講などによって普及・啓蒙、そして、症例数を集めて研究発表を行っています。私も天津留学時に、韓景献教授の手技を見た際、キューピッドの黄金の矢に打たれたように魅了され、日々臨床において実践しています。一人でも多くの悩みを抱えている方にとって、黄金の矢を射るキューピッドのようになれるよう努めています。
こういった鍼灸の啓蒙は、鍼灸業界のみならず、医療界全体で推進されていってこそ、初めて「鍼灸」というマイノリティが世間一般で認知されていくのではないでしょうか?他分野においても同様の流れができることを願っています。
当院では、「三焦鍼法」をメインに取り扱っています。お悩みの方は、気軽にご相談ください。