足の運動麻痺に鍼が良く効いた話。自分が初めて受けた鍼治療の感想。
足の運動麻痺に鍼が良く効いた
実は、鍼灸を大学で学び始めてからも「鍼」の治療を受けたことがありませんでした。兄の腰痛が劇的に良くなったり、、、を見た・聞いた経験はありましたが、自分自身で実際に「良くなった」という経験はありませんでした。二十代や十代だと確かに健康な場合が多いため、周りを見渡しても、クラスメイトの多数が鍼灸を受けたことがない人が多かった印象です。
そんな中、大学一年生の冬、講義と講義の間にクラスメイトとサッカーをして、夕方の講義に出て、そこまでは普段と変わらなかったのですが、講義終わりに椅子から立ち上がってからが大変なことに、、、。後方ドアに辿りつくまで数回室内の階段に足を取られて取られて、、、よくみると足先が下向きになっていて足が持ち上がらない状態(下垂足)でした。
午後六時過ぎになんとか自宅に戻った後、同居している兄に相談して、明日病院に行こうという話になりました。そんな中、病院はどこがよいかなど、大学の先生にご相談をしたところ、「とりあえず鍼をしてみましょう。」と言われ、鍼を受けることに。これが「治療として初めて受けた鍼」になります。
夜10時頃に先生が到着し診てもらうと、腱反射減弱、筋力低下(MMT1:わずかな筋肉の収縮だけ)で、「腰」と「脛」に鍼をすることになりました。腰の鍼ではとくに何も感じませんでしたが、脛に鍼をすると痙攣するように足が勝手に動きだしました。指先がウネウネ動く感じで「不思議な感じだー。」というのが第一印象でした。
20分ほど鍼を刺しっぱなしにしてから抜くと、不思議なことに長い時間(数時間)うんともすんとも言わず頭を垂れていた足先がしっかりもとの位置(MMT3~4:重力に逆らって運動ができる)に、筋力は若干左右差が残りましたが、ただ鍼をしただけなのに、こんな大きな変化が起きるなんて!というのが一番の驚きでした。
先生からは「明日もまた鍼に来てね」ということで、次の日も鍼を受けました。鍼を受けると、初回と同じように指が動いて力がみなぎる感じがしました。二回目を終えると、筋力もほぼ変わらない程度まで戻り、改めて鍼のすごさに驚かされました。
一年後も、、、
実は、最初は右足だったのですが、一年後の冬に同じ理由で、左足に運動麻痺が出ました。アルバイトに行かなければ行けなかったのですが、バイト先に相談をして、鍼を受けて様子をみることに。
二回目は、局所の感覚異常や、内反尖足(足先が内向きになる)も強く、どうしたものかと思いましたが、、、鍼を受けると、1回で筋力も左右の違和感がない程度(ほぼ同じ)まで戻りました。早期から鍼を受けたほうが、回復の程度も良好な印象でした。
さいごに
二回目以降はサッカーをすることもなくなり、今日に至るまで同じ症状(おそらく腓骨神経障害、腓骨神経麻痺)は出ていません。鍼療法は、中枢性の運動麻痺(脳卒中による片麻痺)や末梢性の運動麻痺(末梢神経絞扼障害:しめつけによる麻痺)にも応用されていて、自分自身での経験もありますが、麻痺に非常に良く効く印象です。また、早期から鍼を開始したほうが効果は高いため、現代医療と併せて鍼も取り入れてみることをおすすめしています。
注)自分自身の症例のように、すべての人が1回~2回で治るわけではありません。体質(年齢、既往歴)や症状など個人差によって回復の過程はさまざまです。