足三里への灸は結核・HIV患者へ応用されている
新型コロナウィルス(以下、コロナ)が世界的に猛威を振るっています。そして、免疫力という言葉が盛んに取りざたされています。
鍼灸の世界で言えば、モクサアフリカの途上国での活動が有名です。結核患者にモクサ(お灸)を用い、結核治療(薬剤)を補助するというものです。お灸は取り扱いもさほど難しくないため、在宅セルフケアとも相性がよく、現地では成果をあげているようです。また、同団体の研究成果として、結核患者やHIV患者へのお灸(足三里)は免疫力向上(CD4)の効果があることがわかっています。
しかし、モクサアフリカのサイトにも載っていますが「お灸が結核を直接治す」というわけではないようです。治療薬の副作用である関節痛の緩和や、疲労回復、食欲増進による回復力を高めることが主眼となっているようです。
コロナと民間療法
こういったお灸などを用いることによって健康増進することが分かってきていますが、免疫力が上がったからといって、「コロナに絶対掛からない」「コロナに掛かった後に免疫力をあげれば絶対治る」というわけでもありません。前述の内容も、結核やHIVへの効果の裏付けに過ぎません。一部の人々は「免疫力~」「~はコロナに効く」と何でもかんでもコロナ対策に結び付けたビジネスを展開していますが、コロナの直接的治療方法は未だ手探り状態です。
マスク着用・うがい・手洗いなどをしっかりして、不要不急の外出をひかえる、睡眠や食事はしっかりとるなどの対策が基本となってくるはずです。また、コロナ感染と思わしき症状が出た場合は、まずは政府の指針に従って行動をしましょう。間違っても鍼灸院へ出向くようなことは止めましょう。
さいごに
日頃から体調が優れない方や体調に自身がない方はお灸や鍼による「未病ケア」をおすすめします。もちろん「未病ケア」ですから、健康な方の健康維持や増進にも役立つはずです。外出自粛時には、セルフケアとしてお灸を試してみるのはいかがでしょうか?
※当院ではお灸指導のみ(カウンセリング)しか行っていません。施灸はしていません。
付録:足三里のお灸
1)足三里の位置
2)お灸の仕方
参考:
(PDF「お灸は世界を救う」)