無理な生活習慣で痛みが悪化するケース
鍼灸を続けていても、なかなかよくならない。話をしっかり伺うと、、、「前屈みになると腰が痛いけど、頭を洗う時に我慢して腰を曲げると痛みが強くなる(腰痛症)」「歩きすぎると、おしりからふくらはぎにかけて痺れが出る(坐骨神経痛)」「よくなりたいと思って、無理をして散歩をしたら膝関節が痛くなった(膝関節症)」こういった話をよく聞きます。
上記のような「我慢して、、、」「~しすぎると、、、」「無理をして、、、」という話を耳にすると、たしかに痛みや症状が悪化するだろうな、、、ということは想像に難しくありません。しかし、なかなかご自身では気付かないものです。
こういった「やりすぎ」から「痛みが悪化」しているケースは少なくありません。同様のケースに遭遇した場合、患者さんの生活上のポイントなどを聞きながら、アドバイスなどをしていきます。しかし、日常的に行っている生活習慣はなかなかすぐに変えるということも難しく、治療者側からすると頭の痛い問題といえます。
(内服薬・湿布・温熱療法・運動療法・鍼灸などの)治療を受けたはずなのに一向に改善しない、、、こういった気持ちは、受療拒否(脱落)に繋がってしまいます。自己都合で中断したあとに、症状がもっと悪化してしまうということも多く、注意が必要です。
生活習慣を正してよりよい環境づくりを
症状改善の基本として、正しい治療方法を選択することはもちろんですが、悪くなるようなことは極力しないことです。避けられる、または離れられるのであれば、「症状悪化をさせる原因」から遠ざかることが重要です。
上記の例であれば、、、
・頭を洗う際に、腰を曲げなくてもよい状況をつくる
→シャワーであれば高さを調節して、腰を曲げなくてもよい状況を作りましょう
・歩きすぎると痛みがでるようであれば、無理をしない
→万歩計などを使用して、距離を測ることも重要です
・やみくもに頑張らず、負担の少ない方法で専門的なリハビリを行うことも重要です
→長時間散歩することだけがリハビリではありません。
最後に
「アルコールをたくさん飲めば肝臓に悪い。」であったり「塩分を取りすぎると、高血圧になってしまうかもしれない。」といったことは、よく知られています。またアルコールを常飲しているようであれば、お酒はほどほどにね!と検診などで言われてしまうはずです。これと同じように、腰や膝などに痛みがある場合は「無理をしない」ことが重要です。
なかには、「運動をしないと体によくないではないか!」や「寝たきりになったらどうするんだ!」と反論されることもありますが、決して運動をするなという意味ではありません。無理をして体を悪くしてしまうようであれば、それは正しい方法ではないということです。
生活習慣から起きてしまっている「痛み」などの症状は、生活習慣を正すことによって症状の悪化を予防することが可能です。もし生活を行う上で「痛み」などが出やすい場合は、一度生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?