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鍼が合う合わない?

更新日:2020年8月22日

鍼が合う合わない?とは、、、

よく私(あなた)には鍼が合わないと主張される方がいらっしゃいます。


もし、鍼はどうしても受けたくないという意味の「合わない」であれば、本当に「鍼が合わない」のかもしれません。しかし、「私にはそもそも鍼自体が効かない」という意味の「合わない」であれば、もしかしたら誤解かもしれません。


同じ患者さんでも違う傷病で経過は変わる

例えば、、、


普段は慢性腰痛のケアで通院されている患者さんが肩こりを訴えた、、、よく話を聞くと、朝起きたら「寝違え」みたいに首筋がつっぱるとのこと、僧帽筋(肩たたきの場所)を触るとコリがあり、本人の訴えからも単なる筋疲労の可能性が高い、、、


こういったケースでは、僧帽筋のコリに対して鍼をすると、LTR(局所単収縮反応:ビクッと筋肉が動く)が出て、直後から短時間で症状が緩和していく傾向にあります。


たしかに患者さん本人の年齢や体質によっても経過は違いますが、上記のとおり、慢性腰痛よりもよく効いたといったように、違う傷病では結果が全く異なります。人によって合う合わないよりも傷病によって「効果の程度」が変わってしまうことが多々あります。


本質を理解しないと、、、

傷病を理解せずに、単に首の痛みや腰痛など症状だけでひとくくりにしてしまうと、混乱が生じる可能性が高まります。単なる筋疲労から来る腰痛も、脊柱管狭窄症など変形性腰椎症からくる腰痛も、骨転移や結石による腰痛も、すべて「腰痛」です。


もちろん、結石や骨転移に対して鍼施術の優先順位はさがりますし、筋疲労や慢性疼痛では優先度が上がります。


私やあなたといった個々の単位だけで鍼が効くか効かないか?ではなく、体質・年齢・傷病などを総合的に鑑みて「鍼はどうか?」という考えをすることが重要です。


さいごに

受け手に誤解させないように、施術者自身も安易に「合う合わない」というべきではありません。そして、患者さん自身も、「鍼のメリット・デメリット、向き・不向き」なども説明を受けた上で正しく理解することが大切です。


鍼は痛みや、痺れ、麻痺などによく応用されています。特定6傷病(痛み)には健康保険利用も可能です。興味のある方はぜひ利用してみて下さい。


特定6傷病:

  1. 神経痛:坐骨神経痛、三叉神経痛、しびれ

  2. リウマチ

  3. 五十肩

  4. 腰痛症

  5. 頚腕症候群:首や肩、腕の痛みや違和感

  6. 頚椎捻挫後遺症:むちうち

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