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鍼の直後効果のみに期待しがちですが、経時的変化を観察することも重要です。明治国際医療大学の研究報告を例にして。

更新日:2019年5月21日

「効いた?効かない?」という話をする際に、どうしても「直後効果」のみに着目(期待)しがちです。鍼灸の現場では、「痛み」に関係する症状の方が来院されるケースが多く、鍼をした直後「痛みがなくなるかどうか」は非常に気になるところだと思います。


しかし、症状や体質によってかならずしも鍼直後に「痛みがゼロ」「痛みが劇的に改善」となるわけではありません。以下の研究報告をみていきましょう。


鍼治療の臨床効果 明治国際医療大学 臨床鍼灸学講座 井上基浩、今枝美和

参考http://www.meiji-u.ac.jp/research/files/rinsyoshinkyu3.pdf

左の図は、明治国際医療大学の研究報告からの一部抜粋となりますが、局所注射(orange)と鍼(blue)の効果比較を行ったものです。


治療開始から2週間ごとの経時変化と直後効果のグラフです。100mmというのはVASスケールといって、100mmを最大の痛みとし、0mmを無痛としたものです。


青の折れ線グラフに注目して下さい。鍼による治療によって徐々に痛みの数値が低下していきます。そのため、「痛み」をコントロールするためには一定期間継続する必要があります。


1回試しに、、、はあまり意味がない

直後効果を評価することも必要ですが、直後効果だけで「効いているか効いていないか?」または「続ける価値があるかないか?」の判断(評価)をすることはナンセンスです。


鍼灸師であっても(患者さん個別症状の)経時的変化がどのようなものになるか明確に答えることはできません(例:○○は○回来れば治るなどは言えない)。ましてや一般の方では尚のことであると思います。そのため、一定期間継続して鍼を受ける必要があります。


もし、1回試しに鍼を受けてから「続けるかどうか」決めたいという考えは鍼に向いていません。例えば、風邪などを引いた時に病院で処方される薬は何日間分でしょうか?もし1回飲んで「この後飲むか飲まないか決める。。。」ことはしないはずです。


鍼も同じように、決められたペースで一定期間続けた方が、症状改善に役立つはずです。

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