鍼はくせになるから通院間隔は空けたほうがいい?

鍼はくせになる?という話

時々ですが、「鍼はくせになるから通院間隔をあけた方がいいですよね?」という質問を受けます。経験上、「鍼はくせになる、、、」という話は聞いたことはありませんし、通院間隔をあけた方がよいという話も聞いたことがありません。


実際のところ、鍼には薬剤が塗布されていたり、何らかの成分が消化される過程で肝臓や腎臓へ負担をかけるということもありません。鍼はただの金属です。リスクといえば、鍼の性質上起こりやすい皮下出血または皮下血種(青あざ)の可能性は否めませんが大きな問題となることはありません。


通い続けなければいけないという意味?

もしかしたら、鍼を受け始めると通い続けてしまう?という意味もあるのでしょうか?それであればイエスでもありノーでもあります。これに関しては鍼のせいというよりも、どのような方(どのような疾患)が通院しているかに関係があると言えます。一般的に鍼療法を受ける方は慢性疾患が多い印象です。また、年齢層は高めです。鍼療法は物理療法(保存療法の一つ)で、慢性疾患をお持ちの高齢者層に対して用いられているケースが多いことが要因です。どちらかといえば、通い続けてしまうというよりも、通い続けなければいけない状態の方が多いといいかえた方が自然かもしれません。


また、高齢者の方は高血圧の薬などを日頃から内服されている方が多いと思いますが、鍼療法だけ特別通院している(通院させられている)わけではありません。鍼をご自身で行うことが出来ない性質上、自宅での内服ではなくリハビリと同じように通院しなければいけないだけに過ぎません(または往療)。


通院間隔はどうすればいいか?

通院間隔は症状や疾患によって変わります。一概にどのくらいとは言えません。脳卒中であれば高頻度(毎日でもよい)のほうがよいですし、若い方の単なる未病予防のようなボディケアであればそこまでの頻度は必要ありません。また、痛みが強い場合は高頻度で、痛みがそこまで強くない場合はより長い間隔でもよいと思います。その他、効果が出づらい場合は頻度を上げることも重要です(薬と同じで量を増やす)。


通院間隔を短くとると内出血のリスクが高くなったり、あざが出来たまま鍼を受けるということもあります。なかにはあざが出来るのはけしからん!であったり、あざがあるのに鍼を受けてもいいのか?と考える方もいらっしゃるかと思います。実際、あざが大きな問題とはなりません。一番は、治療を受ける上でベネフィット(利益)をどう考えるか?が重要となります。例えば、脳卒中の方が毎日鍼を受ける上で、「内出血のリスク」と「脳卒中に対する鍼の効果」を天秤にかけたとき、一般的には後者が重視されるはずだと思います。脳卒中後遺症に関しては発症から徐々に治療効果は減少していくと言われています。特段の事情がない場合は、あざが残る程度で治療を一回一回中断することは賢い選択ではありません(消退に1~2週間程度)。


通院間隔を自己都合で極端に変更したり、理由もなく一回で中断したりすることは「治療自体を受けていない」のと同じです。期待される効果のためにも、一定期間は継続して通院したほうがよい場合が多い印象です。



さいごに

鍼がくせになることはありません。適切な治療間隔を保つことをお勧めしています。

最新記事

すべて表示

平素は当院をご利用いただきありがとうございます。 夏季休暇を下記のとおり頂いております。 サイト内告知が遅くなり申し訳ございません。 夏季休暇中は、電話は繋がりませんが、メールは対応可能です。 何かありましたらメールにてご連絡下さい。 夏季休暇: 令和4年8月11日~18日

鍼をすると、自律神経の副交感神経が優位になり「リラックス状態」になると言われています。そのため、鍼を刺したままベッドで安静にしている「置鍼・留鍼(ちしん・りゅうしん)」の最中には眠ってしまう方が多い印象です。よくカーテンの向こうからイビキが聞こえてきます。 「鍼を刺したままで痛くはないのか?」という質問を受けることがありますが、鍼が刺さった後は「するどい痛み」が持続することはありません。少しずーん

私は「絶対に治します。」「絶対に治ります。」「すぐ治ります。」とは明言していません。中には、「よくない鍼灸師(施術者)だ」と感じる方もいるかもしれません。 よく「同じ病気で悩んでいる患者さんは来られますか?」という質問をされます。病気だけで一括りにすると「はい。来ます。」と答えが出やすいですが、患者さんが本当に聞きたい答えは「来るか?来ないか?」といった簡単なものではなく、「その方はどういった経過