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鍼を刺されたことがない鍼灸師はいない。

鍼灸師は鍼を受けているの?

「鍼灸師は鍼をするだけじゃなくて、受けたりもするの?」という質問をよくされます。涼しい顔で他人に鍼をしているこの人は、果たして(この痛そうな、怖そうな)鍼を受けたことがあるのか?と疑問は自然と出てくるはずです。


私自身、直近で鍼を受けているかというと、、、最近、左の首を痛めたため、昨日もプライベートで鍼を受けています。私自身は緊張しやすいので、おっかなびっくり受けていますが、鍼は痛みの緩和や回復促進につながるため、積極的に取り入れるようにしています。昨年末に右肘を脱臼した時も集中的に鍼を受けていました。


頸部への鍼施術を受けている図:

頸部への鍼

他には、、、「自分で鍼を出来るからいいですね!」という声も掛けられやすいですが、私自身では痛がったり、怖がったりでしっかり刺激できないため、基本的に自分自身に鍼はいたしません。とくに頸部には肺の先端があったりするので、気胸のリスクを背負って自分でやる必要はないと思っています。


また、場所によっては、手が届かなかったり、安全に鍼が出来ない、、、こういったことは多々あるため信頼のおける先生に頼むことをおすすめしています。はり師は相手に鍼を刺すプロであっても、必ずしも自分に刺すプロではありません。


はりをするためには、、、はりも受けている

はり師は、はりをすることが仕事です。受けるというよりも相手に鍼をすることが専門です。中には鍼は痛いから、、、緊張するから、、、という理由で自分自身は受けないという鍼灸師もいるかもしれません。鍼灸師であっても、鍼を日常的に受けるか受けないかは個人の自由です。


しかし、一度も針を刺されたことがない、、、という鍼灸師はいないと思います。鍼灸師を育成する専門学校や大学では、実技実習が組み込まれています。この授業中に、正しい取穴方法(ツボを探す)や正しく刺す方法を勉強します。実際、学生同士でグループを組んで鍼を刺しあいます。免許取得までは患者さんへ鍼をすることはありませんが、臨床現場に立つまでに「常用穴(日常的に使うツボ)は大体刺されたことがある状態」になっています。


当然、鍼灸師も人ですから、刺したことがないツボは怖いため、他人に試す前に練習を繰り返すというのが常です。もちろんどこが痛いか、、、どんな感じか、、、こういったことを事前に把握していた上で「はりはどうですか?」「少し刺激しますよ」「ここは痛いですよ。少し我慢できますか?」と言った言葉を掛けているはずです。


鍼灸刺法の上達段階:

  1. 刺鍼練習台(シリコンやスポンジ)に鍼を刺す

  2. 自分の身体に鍼を刺す

  3. 学生同士で鍼を刺しあう

  4. 実際に、患者さんへ鍼をする

  5. 失敗しながら徐々に上達する


さいごに

一般的な鍼灸師は自分の身体で覚えてから、患者さんに応用している場合がほとんどです。心配になった時は、「鍼を受けたことありますか?」この質問を是非してみて下さい。

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鍼をすると、自律神経の副交感神経が優位になり「リラックス状態」になると言われています。そのため、鍼を刺したままベッドで安静にしている「置鍼・留鍼(ちしん・りゅうしん)」の最中には眠ってしまう方が多い印象です。よくカーテンの向こうからイビキが聞こえてきます。 「鍼を刺したままで痛くはないのか?」という質問を受けることがありますが、鍼が刺さった後は「するどい痛み」が持続することはありません。少しずーん

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