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  • 執筆者の写真三焦はり院

鍼施術では通院コンプライアンスの良し悪しがよくわかる

鍼治療は、医療機関通院時における在宅での服薬中心の治療とは異なり、患者さんご自身で鍼施術を行うということはありません。そのため、コンプライアンスが守られているのか?という点は非常にオープンです。我々鍼灸師から見ると、鍼施術をしっかり継続して受けれているかどうか?(通院コンプライアンス:適切な通院間隔が守れているか)の良し悪しがよくわかってしまうわけです。


初診時に、「いままでよく頑張って治療をしてきた、、、」「整骨院には毎日通院した、、、」「何でも指示をきくから兎に角治りたい、、、」「毎日でもいいから来ます、、、」こういったことを耳にすることは珍しいことではありません。しかし、患者さんの話と実際の通院コンプライアンスが乖離しているということは往々にしてあります。


しっかり治していくためには、一定の期間継続した適切な施術(治療)を受けることが大切です。これ以外の方法はまずありません。通院コンプライアンスが守られていない場合、期待した治療効果が得られません。要するに、治るはずのものでも治らなかったり、悪化することがあるわけです。


こういった通院コンプライアンスの話をすると、中には「じゃあちゃんと通院すれば絶対治してくれるのか?」ということをいう方もいらっしゃいます。おっしゃるとおり、たしかに、通院コンプライアンスを守っても絶対に治るとは言えませんが、通院コンプライアンスを守らないということは、自然治癒に任せるということに他ならず、いわゆる神頼みでしかありません。


残念なことに、こういった通院コンプライアンスが守られていない症例では、治療成績があがらないことが多々あり、歯がゆい思いだけが残ります。そして、ノンコンプライアンスに伴う治療成績の問題は、施術の良し悪しや施術内容とは全く関係がありません。


様々な理由から通院コンプライアンスが低下することは重々承知しています。しかし、通院コンプライアンスが治療成績に繋がるため、無視することは出来ません。「忙しいから、、、」「〇〇だから、、、」とどの理由であっても、結局のところノンコンプライアンスという面で同じようにリスクやデメリットは発生するわけです(聞こえがよい理由の方が結果がよくなるということはない)。そして、この通院コンプライアンスで生じた不利益(結果)は患者さんご自身が背負うものです。医療者側(施術者側)が責任を負うわけではありません。


通院コンプライアンスは医療者側(施術者側)のポジショントークだと誤解されることがあります。当院では、EBMに基づいた施術方針をとるようにし、客観的な説明をするように努めています。もし、治療成績が上がらないと感じる方がいるようであれば、まずは通院コンプライアンス(医療機関で加療中であれば、服薬コンプライアンス)が守れているかの確認をしてみて下さい。

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