はりの健康保険利用
医師の同意書が必要ですが特定6傷病に限り健康保険利用ができます。同意書は歯科以外であれば整形外科でなくても問題ありません。「かかりつけ医が内科医だけどどうしよう、、、」と心配する必要はありません。
特定6傷病:
神経痛
腰痛症
五十肩
頸腕症候群
リウマチ
頚椎捻挫後遺症:むちうち
同意書は医師が発行するもの
誤解を受けることがありますが、同意書は、担当鍼灸師ではなく保険医が発行するものです。そのため、「なんとか保険適応にして下さい、、、」「ドクターに頼み込んで下さい、、、」と言われても手続きの案内以外は出来ません。鍼灸師の権限が同意書発行の可否に影響を与えることはありません。
そのほか、整骨院では急性外傷のうち「捻挫、打撲」は同意書不要となっていますが、鍼・灸・按摩マッサージ指圧(あんま)に関しては「(健康保険利用には)同意書が必須」です。どの院に出向いても「同意書取得」という流れは変わりません。
そのため、なかには「鍼灸の健康保険利用は煩雑でハードルが高い、、、整骨院のほうがいい」と感じる方もいるかもしれません。
鍼は同意書が必要だから整骨院へ行こうは、、、
鍼は同意書が必要だから整骨院へ行って保険適応してもらえば万事OKだ!考える方もいるようですが、「鍼灸の保険適応症=整骨院の保険適応症」となるわけではありません。
腰痛から見る保険適応状況の違い:
1)急性外傷の腰痛(整骨)
腰椎捻挫などの急性外傷のみ。加齢による腰椎変形症や日常生活に由来するもの(筋疲労)や以前罹患した疾患の再発は含みません。また、急性期・亜急性期(三ヶ月)を超えた慢性腰痛は含まれません。中長期的に漫然と健康保険利用がルールとなっています。
2)腰痛(はりきゅう)
腰痛を主訴とするものすべて。(急性期や慢性期の)期間は問いません。要医師の同意書
保険組合からの問い合わせ?
よくある質問は、「整骨院で数ヶ月治療を受けていたら、加入している保険組合から問い合わせがあった、、、保険組合から、なぜそんなに部位が増えたり、時間がかかるのか?と言われた、、、鍼灸はそういうことありますか?」というものです。
整骨に限らず、保険組合が必要と感じれば問い合わせがあります。問い合わせの有無は問題ではありません。健康保険利用のルールに則って施術を受けていれば良いだけです。前述したように、例えば、、、「理由無く中長期的に整骨院を受療」すれば当然不支給対象となりえるはずです。
実体の無いもの(架空請求)、ルールに即していないもの(不正請求)は「絶対ダメ」が原則です。
さいごに
何でもかんでも健康保険が利用出来るわけではありません。それでも受療を希望する場合は、自費負担を選択する以外はありません。
自費施術の併用は金銭負担面でのデメリットだけではなく、時間面での制約がない(回数や期間)、相乗効果が見込めるなどのメリットも存在します。
「なんでもいいから受けたい」という考えに基づいて、強引な方法で施術や治療を受ける方向に持っていくよりも、「○○という理由に基づいて、○○療法を受けたいから受ける」という考えの方がより建設的でご自身のためになるはずです。
もし柔道整復術(整骨・接骨)が必要であれば整骨院へ。もし鍼灸が必要であれば鍼灸院へ。検査や治療が必要であれば病院を受診してください。