鍼灸治療効果の個人差について:「罹患した病気の性質」「患者さん本人の体質」「症状の程度」

鍼灸治療を受けたことがない方は、「果たしていったい、何回くらいでよくなるのか?」といったことを考えると思います。実際、「何回で治してくれるのか?」という質問をお受けすることが多いです。

 

治りやすい条件は一体なんでしょうか?

 

はじめに、重要な条件は「可逆性の疾患」であることです。可逆性とは「もとに戻る可能性がある」ということです。ということは、進行性の疾患や退行性の疾患は治りやすいとは言えません。進行性であれば、昨今増加傾向にある認知症(アルツハイマー病、レビー小体型など)や、パーキンソン病などの神経変性疾患。そして退行性であれば、変形性関節症や、脊柱管狭窄症などがあります。

 

次に、「若さ」です。例えば、帯状疱疹を例にあげると、帯状疱疹は高齢者の発症が多いですが、若い方でも発症する可能性があります。帯状疱疹後神経痛などは若い方よりも高齢者の方が残りやすい傾向にあります。このように、若い方のほうが、回復力や免疫力が強い傾向にあるため、重症化・慢性化しづらい傾向にあります。

 

最後に、「症状の程度」です。病名や症候名は同じであっても、人によって症状の軽い人、重い人がいます。例えば、当院でも取り扱っています脳卒中後遺症に対する「醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)」ですが、急性期での効果は著効しやすいですが、何年も経った陳旧性の麻痺はなかなか治りづらい印象です。とくに痙性が顕著で拘縮が起きているとなかなか思うような効果がみられない場合が多いです。

 

こういった「罹患した病気の性質」「患者さん本人の体質」「症状の程度」が複雑にからみあって、「治療効果の個人差」が生まれます。そのため、すべての方に何回でよくなるとは断言できないことが多いです。

 

効きやすい疾患は、「若い」「一過性(可逆的)」「軽度」の3拍子揃った、若い方のスポーツなどによっておこる筋肉疲労(遅発性筋痛症/筋肉痛)などです。どれか一つでもそろわないと、なかなか時間がかかる印象です。

 

年齢を重ねても、適度な運動や食事制限などで生活習慣の改善を図ることが重要です。そうすることによって病気の予防や、回復力の促進が見込めます。まずは、病気にならない体つくりをしていきましょう。

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