鍼灸臨床では神経幹刺激療法を応用して、パーキンソン病の歩行困難改善を目指す。

脳卒中後遺症には「神経幹刺激療法(醒脳開竅法)」を行うことは有名ですが、脳卒中後遺症に限らず、「歩行困難の症状」に対し応用が可能です。ではパーキンソン病ではどうでしょうか?

 

もちろんパーキンソン病にも応用可能です。中国留学中に、韓景献教授の老人病外来(神経内科)で、パーキンソン病の鍼治療をよく診させていただきました。外来では、歩行困難かどうかで「神経幹刺激をするか?しないか?」の決定をしていました。

 

神経幹刺激部位は「委中穴(膝の真後ろ)」を用います。委中(いちゅう)は腰背の総穴です。名前のとおり「腰背部の痛み(急性・慢性腰痛など)」などに使用します。通常は、うつぶせで使用する場合が多いですが、パーキンソン病や脳卒中後遺症では、醒脳開竅法(脳卒中後遺症の有名な処方)の操作に則って、仰向けで刺激を行います。この際、片手(術者左手)で患側の足を持ち上げて、利き手(術者右手)だけで刺鍼~操作を行わなければいけません。

 

この際、日本式の管鍼法(管を片手で抑えて、もう片方の手でトントンと叩く方法)は使用しません。実際やってみるとわかりますが、下から上に向けて針を刺入するとき、管から鍼が零れ落ちます。また通常の和鍼(日本鍼)の操作のように、術者は両手を使えません。中国式の片手刺入法が必須となります。

 

解剖学的には、「脛骨神経」を刺激しています。鍼感(ひびき・得気)としては、足先まで一過性の触電したような響きがでます。しかし、鍼自体は切ったりするような構造にはなっていないため、神経損傷などはおこりません。

 

東洋医学的には、「委中」は膀胱経という経絡に属しています。経絡の考え方としては、経絡が通じていない場合は、「痛み」や「運動制限」が起きるとされています。膀胱経は、額から後頭部、後頭部から背中を通って、下肢後面を通過して足の外側まで走っています。そのため、鍼刺激で膀胱経を通じることによって、下肢の機能改善を目指すといった考え方。

 

当院では、「頭皮鍼と三焦鍼法」、そして「神経幹刺激法」を組み合わせることによって、「歩行困難」のみならず、症状の改善を目指していきます。研究や臨床では、週2回の治療介入が目安となっています。

 

歩行や諸症状の問題を改善することによって、薬量のコントロールを目指します。コントロールによって、薬の有効期間を延ばしていくといった考え方です。

 

パーキンソン病への鍼治療は保険適用外となるため、自費のみとなります。当院では、初診料2000円、施術料(1コマ)3000円となっています。パーキンソン病の鍼施術は1コマのみで可能となっています。お悩みの方は、ご相談下さい。

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