鍼灸鍼と言えばどのようなイメージをしますか?「痛そう、、、」「怖い、、、」というイメージから固くて太い注射鍼を想像するかもしれませんが、鍼灸鍼は思ったよりも弾力性があって柔らかく出来ています。細さも髪の毛程度です。
実は、鍼灸鍼の柔らかさ(柔軟性)を利用することによって様々なことが行えます。例えば、頭皮鍼(頭皮に鍼をしていく)を行う際には、皮下に鍼を入れた後、たわませながら頭蓋骨の形状に沿ってカーブを描くように鍼先を進めていくことが出来ます。もし鍼灸鍼に柔軟性がなくたわまない場合はすぐに頭蓋骨に当たってしまい、鍼はあまり刺さりません。
逆に、よくたわむと言うことは皮膚を貫く力が弱いとも言えます。そのため、内側から鍼が皮膚を突き破って外まで飛び出てくることはありません。そのため、前述の頭皮鍼を行う際にも途中から外に出てくることがないわけです。
その他、患者さんの体動によって鍼自体が「くの字」に曲がることはありますが、よほど金属疲労(何回も故意に折り曲げ続ける)や腐食(長時間電流を流して弱らせる)がなければボキッと折れて切断されてしまうことはありません。なお、電気を流す場合や筋中に入れる際は、折鍼や抜鍼困難(筋緊張が強く抜けなくなる)などのアクシデントを避けるため、一定の太さ(0.2mmφ)以上の鍼を使用します。また、鍼体を目いっぱい皮下まで入れないようにしています。
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