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鍼療法の中の西洋と東洋。

鍼療法

鍼灸は中国からの伝播以降、独自の流れも持ちながら、昨今まで受け継がれた伝統医学に分類されてます。経絡や経穴(つぼ)上に金属製の鍼を刺入れて、生体の自然治癒力を起こすことを目的とした療法です。


鍼療法の中の西洋と東洋

欧州では保険適応を検討または導入するための「鍼の研究」が盛んであり、保険医療への適応や、理学療法士へ鍼療法の一部を開放するなどの政策が進んでいます。また、30年ぶりに改訂されたICD11(国際疾病分類)には、伝統医学の項目(鍼灸含む)が追加されました。


アメリカでは従来は鍼(はり)を「Acupuncture、アキュパンクチャー」と呼んでいましたが、理学療法士が筋肉の痛みを取る目的で鍼灸鍼を使用する方法(トリガーポイント(反応点)への鍼)を「Dry needling、ドライニードリング」と呼ぶようにして、別のものであると定義付けするようになりました。では、このAcupunctureとDry needlingは鍼療法なのか否か?というと、日本においては間違いなくどちらも「鍼療法(Acupuncture、dry needling)」の一つに過ぎません。細かく分類すると、Dry needlingは現代的鍼灸手法(西洋医学的鍼灸手法)と呼ぶことも出来るかもしれません。


鍼灸自体が伝統医学で東洋医学であるのに、西洋医学的鍼灸手法なんていうのも言葉遊びのような気もしますが、「鶏が先か、卵が先か」と同じようなもので、実は、鍼療法自体の本質は全く変わりません。ただ、分類の仕方や定義の仕方、または歴史的な背景によって呼び方を換えているだけです。もしアメリカで先にDry needlingが発祥していたら、鍼は西洋医学に分類されていたかもしれません。


アメリカにおける鍼療法:

・Acupuncture:経絡や経穴に基づく治療体系

・Dry needling:筋・筋膜など解剖生理学に基づく治療体系


トリガーポイントは、経穴と似て非なるものか?

実は、トリガーポイントもツボの一つである阿是穴(あぜいけつ、a shi xue)と同じであると言われています。阿是穴は、「正統なツボ以外で、反応の認められるところ」を指します。名前を変えただけで、意味は同じです。そのため、東洋医学的に言えば「阿是穴」であり、西洋医学的に言えば「トリガーポイント」ということになります。


さいごに

鍼療法は治療方法の選択肢の一つに過ぎません。結局のところ、鍼療法は鍼療法であって、それ以外でもそれ以下でもありません。もし受け手(患者さん)自身に有益であれば、「東洋医学だから○○」または「西洋医学だから○○」とは考えずに、治療方法の一つとして取り入れて行くことが重要です。


鍼療法のメリットとしては、副作用がほとんどないこと、薬との飲み合わせの懸念がないことなど多岐に渡ります。併用することによって相乗効果が期待できたり、代替補完医療として副作用の軽減に応用されたりしています。


興味のある方はぜひお試しください。

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