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鍼療法の社会的な役割

鍼療法は高いというイメージが多いと思います。施術所(鍼灸院、整骨院など)は医療保険機関ではないですから健康保険利用は一部指定傷病のみに限定されます。鍼灸に関しては、自費施術がメインという施術所も多いと思います。そのため、病院で処方される痛み止めや湿布などの治療と比べると割高であると言えます。


しかし、費用が高いか安いかという面は、相場に比べて高いか安いか判断することが必要です。別業態と比べることはナンセンスですし、同業他社(他院)であっても内容が違うようであれば同一に比べることはナンセンスと言えます。もちろん、個人的な主観だけで判断することもあまりおすすめしていません。


鍼療法の役割を考えてみると、健康保険利用(療養費)に係る「保険者は保険医による適当な治療手段のないものとし療養費の支給対象」という同意書の文言からわかるように「+αとしての医療」または「相補代替医療(CAM)としての鍼」という役割があります。また、自費施術に関しても、保険医療のみで満足な治療成績がある場合やニーズを満たしている場合に鍼療法をわざわざ選ぶということはなく、健康保険利用と同様に、やはりCAMとしての意味合いが強い印象です。そのため、鍼療法に必要性を感じる方と「病院の保険治療で十分だから自費でわざわざ鍼なんて受ける必要はないんじゃない?」と考える方とは根本的な立場が違ういうことがわかります。


薬物療法や運動療法などの選択肢が多い場合は鍼療法自体に対してメリットを感じない場合も多いかもしれませんが、医療リハビリに最大180日の制限がある脳卒中(脳梗塞、脳出血など)後遺症、進行性難治性のパーキンソン病、パーキンソン治療薬が効きづらいパーキンソン症候群(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺など)などの選択肢が限られる場合や代替医療の需要が高い分野などに関してメリットを感じやすいと言えます。


そのほか、ポリファーマシー(多剤服用による副作用が出ている状態)や副作用が強く薬物療法継続を望まない場合(薬剤使用過多による頭痛、痛み止め内服による胃腸障害)なども「自然な療法である鍼」を検討される方は一定数存在する印象です。


日本の社会医療制度上、相補代替医療としての鍼療法は望まれるべき形の一つと考えます。受療率からみて「鍼なんて不必要」と考える方は多いと思いますが、もし何かの折に「代替医療」を検討する際には鍼療法も検討してみてはいかがでしょうか?

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