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  • 執筆者の写真三焦はり院

闇雲に揉んだり擦ったりしてもコリはとれない。鍼などで直接アプローチしなければ意味がない。

コリは直接刺激しないと効果がない

多くの人が、「(筋肉が)こったなぁ・・・。」と感じた時に、「揉んだり、、、推したり、、、擦ったり、、、」といったことを試します。しかし、いくら表面から刺激を与えても、直接コリ(硬結、トリガーポイント:TP)に対しアプローチが行えていなければ、そのコリは上下左右に動くだけで消失することはまずありません。


水を張ったタライに風船を浮かべた様子を思い浮かべて下さい。風船を上から指で押してみても風船は割れません。ただ、水面を押された方へと漂うだけです。しかし、上からマチ鍼で刺すと風船は簡単に割れるはずです。同じように、筋中のコリ(風船)に刺激を伝えるためには、ただ闇雲に揉んだり、推したり、擦ったりするだけでは不十分だと言えます。


ドライニードリングによるコリの解除

コリを解除する鍼の方法は「ドライニードリング(dry needling)」「IMS療法(筋肉内刺激法)」と呼ばれていて、アメリカでは理学療法士(PT,physical therapist)が理学療法の一手段として応用しています。TPに対して鍼を刺入して刺激を与えるシンプルな方法ですが、再現性や即効性も高く、「痛み」に対して効果が高いと言われています。


Strong Local Twitch Response (LTR) by A-IMS:


筋中に発生したコリに鍼先が届くとLTR(局所単収縮反応:筋肉が反射でピクッと動く)が起きて、コリが解除されます。LTRが生じた際には、術者と受け手の双方が反応を確認することが出来ます。また、刺激をした単一筋(またはその一部)だけの瞬間的な収縮のため、自動運動と容易に区別することが出来ます。


「LTRあり=コリがある」のため、一般的にはLTRの反応が出なくなるまで刺激を行います。多い人では十数回~数十回、少ない人では1~2回程度で反応が出なくなります。初めての方は「筋肉が勝手に動いて怖い、、、」と感じることもありますが、徐々に慣れていく場合がほとんどです。


強く揉むと過緊張によって痛みが悪化しやすい

よく強く揉んだほうがコリがほぐれると誤解されている方がいますが、強く揉んだり推したりすることによって、体は緊張状態となり、局所の血流量が低下し、痛みやコリが悪化することが多々あります。


痛みのある部位やコリのある部位は一般的に局所血流量が低下している状態です。「痛みの物質」は末梢循環を悪くし血流量を更に低下させています(コリのある状態)。そこを更に「緊張状態=循環不良状態」にすることは「痛みの悪循環」を加速させているだけです。


確かに強く揉んだほうが、「揉まれたな~。」と言った感じを受けやすいですが、実際にコリが解除されているかはまた別の問題なのです。


なぜ鍼が向いているのか?

表面から徒手によって刺激する場合は、筋中のコリまで届くように力を加える必要があります。当然ですが、筋肉を押しつぶすような刺激が必要となります。そういった刺激は、前述したとおりの過緊張を生んだり、ひどければ内出血など耐え難い痛みを二次的に引き起こします。コリを解除するはずが、他の問題を引き起こしてしまっては元も子もありません。(高齢などの理由で)骨粗しょう症があれば、圧迫骨折が起こる可能性も否めません。


鍼を筋中のコリまで到達させる際、体の受ける負担は最小限で済みます。髪の毛程度の細さの鍼で出来る傷は微々たるもので、筋肉を潰したりといったことはおきません。そのため、表面から距離のあるコリに対しても少ない負担でアプローチをすることが可能です。


また、刺激が不十分な際には、鍼に通電することによって、深部のコリに刺激を与えることが出来ます。皮膚表面への電極とは違い、皮膚抵抗もなく、ピリピリした嫌な感じも起こりません。


最後に

鍼には怖い痛いというイメージを持ちがちですが、少ない負担でコリを解除することができます。慢性的な肩こりは頭痛や耳鳴りを誘発し、生活の質を低下させます。なにかと揉んだり、推したり、擦ったりしがちですが、頑固なコリがある場合は、鍼を試してみてはいかがでしょうか?

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