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顔面神経麻痺が起きたら、まず先に考えたいこと。見た感じ重症ではない?の落とし穴

朝起きて鏡をみると、「あれ?なんか顔が曲がっているようにみえるかな?」とか、歯磨きをしていると「どーも口から水が漏れてくる」とか「なんか味がおかしいな」と感じるようになって、真っ先に顔面神経麻痺を疑うと思います。

 

この顔面神経麻痺ですが、大まかに分類すると、「中枢性顔面神経麻痺」と「末梢性顔面神経麻痺」があります。「中枢性」とはおもに、「脳・頭」に生じた問題によって顔面の表情筋が麻痺した状態になったものを指します。「末梢性」とは、「頭には問題がないけれど、表情を作っている筋肉についている神経」が表層で圧迫などによって障害されている状態の結果(栄養不良・浮腫など)、麻痺が生じている状態を指します。

 

中枢性と末梢性にはそれぞれ特徴があります。よく言われているのが、「中枢性顔面神経麻痺」は「末梢神経麻痺」よりも症状が軽く見えるといった点です。ではどのような点で軽くみえるのでしょうか?

 

「末梢性顔面神経麻痺」では、表情をつくる筋肉が全般的に障害されますが、「中枢性顔面神経麻痺」では「おでこのシワ寄せができない」といったことはほとんどありません。鏡などで顔の麻痺をみて「あれ思ったより麻痺がないなー」と思われた場合でも、「中枢性顔面神経麻痺」は「頭(脳)」の障害(脳卒中など)が疑われますので早めに脳神経外科・内科などの医療機関受診をおすすめします。

 

顔面神経麻痺以外に「しゃべりづらい」「言いたいことと違うことを言っている」「どこかが痺れる」などの症状が出た場合は、「中枢性」の問題が色濃いと思います。前2つは脳卒中などの特徴的な症状ですが、「末梢性顔面神経麻痺」で「どこかが痺れる」ことはありません。「末梢性顔面神経麻痺」では「表情筋麻痺」「耳の音異常」「味覚異常」「耳後部の腫脹痛(ウイルス性)」が主ですから、「感覚異常」が起こることはまれです。

 

ではなぜ感覚異常は起きないのでしょうか?答えは簡単です。「顔面神経は感覚神経ではない」からです。「顔面神経痛」もありません。正確には「三叉神経痛」です。

 

もし、朝起きて鏡などで表情の違和感などを感じた場合はクリニックを受診してください。また、「末梢性」でも早期からのステロイドの大量投薬(炎症消退目的)が重要となってきます。「まあそのうちなんとかなるよ」といった考えでは危険です。

 

顔面神経麻痺になった場合、鍼灸治療も適応となります。急性期は「浅刺多鍼」を主にし、回復期以降は「深め」に刺していきます。また、電気は流しません。鍼灸院で電気を流されそうになった場合は、即座に止めましょう。へたをすると神経が変に交絡を起こして、「ワニの目の涙(食事中に涙がでる)」などの病的共同運動が起こる可能性があります。十分に注意しましょう。

 

体力的に弱いなど、中医学的に「虚証」の場合は、気を補うことによって「回復が促進」される場合もあります。末梢性顔面神経麻痺」はストレスなどからも生じると言われています。顔面神経麻痺にかぎらず、ストレスをためないように心がけることも一つの予防かもしれません。何よりも健康が一番ですね。

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