top of page
  • 執筆者の写真三焦はり院

ズンズン運動

最近「ズンズン運動」なんて言葉を聞きました。乳幼児の首を捻ったり、圧迫したりして、様々な疾患(ダウン症・アトピー性皮膚炎)を治療するらしい?ですが、どうやらこの「ズンズン運動」で死亡事故が起きたらしいです。

 

この「ズンズン運動」なのですが、「無資格者」が推進していた事業らしく、俗にいう「無資格整体」というものです。

 

無資格者が行っている「整体」とか「カイロ」とかそういったものは、法律上、利用者さんを「治療」するものではありません。当たり前ですが、「○○を治療できる」と公言することも禁止です。なぜなら、ただの「慰安行為=リラクゼーション」だからです。「気持ちいい」といった程度、それくらいのものなのです。

 

よく巷で耳にする、「第2頸椎がずれてる」とか、「自律神経に作用し○○を治す」とか、私からするとなんか少し怖いような気がします。頸椎がそんな大げさにずれてたら、絶対になんかしらの神経症状が出ています。もし本当にそんな状態だったら、整体に通い続けるより、しっかりとした医療機関に行き、画像診断⇒確定診断⇒治療すべきです。現在の医療施設で、体表を触れば内臓から骨の状態まで全部わかるから画像診断なんていらないよ!なんてことはありえないと思います。

 

自律神経の状態ですが、時間、気温や環境の変化などでも変動するため、確かに撫でさすれば自律神経に何らかの影響を与えているのかもしれませんが・・・。それで全ての疾患が治るのであれば、お医者さんはいらないわけです。

 

そこで、「いやいや私の信頼している整体師の大先生が言っているのだから・・・間違いない!」という方もいるかもしれませんが、法律上「無資格」な、なんちゃって医療人は医療関係者ではなく、話の上手い飲み屋のお姉ちゃんと大して変わらないのです。利用者さんが、そういう心境になるということは、本当に話が上手いのかもしれません。

 

慰安目的でこれらを利用することは、何も問題ありませんし、我々有資格者よりも「気持ちいい」施術を行ってくれると思います。体が疲れた、すこし撫でさすってもらいたいなぁという時に利用したりすべきでしょう。「病気の疑い」がある場合は、医療機関を受診しましょう。というか・・・絶対にそうして下さい。

最新記事

すべて表示

局所における鍼の持続効果の話

著者は、「鍼の持続効果」に関して、度々質問を受けることがあります。実は、「鍼を刺すこと自体」には、数週間、数カ月と言った中長期的な作用はありません。「直接的な作用」は、刺鍼直後~数時間程度と考えます。「なんだ鍼はその程度しか効かないのか、、、」と感じる方もいるかもしれませんが、厳密には、この「直接的な作用」と「副次的に生じる持続効果」については分けて考えなくてはなりません。 例えば、局所麻酔剤を痛

ボツリヌス毒素・ミラーバイオフィードバック療法併用に関する研究の紹介

前回の記事(やっぱりミラーバイオフィードバック法は大事 (sanshou-hari.com))で「ミラーバイオフィードバック法は大切ですよ!」という話をしました。ミラーバイオフィードバック法は、鏡を見ながら顔を動かす方法ですが、単なる表情筋のトレーニングではなく、中枢(脳)での運動ネットワークの再構築を目標にしたリハビリです。 本稿では、関連する研究として、高橋(2014)による「ボツリヌス毒素・

やっぱりミラーバイオフィードバック法は大事

本稿では、顔面神経麻痺のリハビリの一つである「ミラーバイオフィードバック法」に触れていきたいと思います。 ミラーバイオフィードバック法とは、「鏡を見ながら顔を動かすリハビリの方法」です。主に、口を横に開く「イー」、口を尖らせる「ウー」、ほっぺたを膨らませる「プー」の三種目を行います。 ミラーバイオフィードバック法の目的は「病的共同運動(口を動かすと目が閉じるなど、後遺症の一つ)の予防」です。そのた

bottom of page