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  • 執筆者の写真䞉焊はり院

䜕でもかんでも鍌をすすめるわけではありたせん

鍌は優れおいおも䞇胜ではない

鍌灞垫ずしお、鍌療法は優れたものだず自負しおいたすが、鍌療法が䞇胜だずは思いたせん。䟋えば、こういった方以䞋にはたず医療機関受療をすすめたり、他の方法を怜蚎するこずがありたす。そしお、に関しおは、状況に応じお鍌斜術の適吊を怜蚎するように心がけおいたす。


優先床を怜蚎しなければいけないもの

  1. そもそも病院未受蚺の堎合

  2. 暙準治療を優先すべきもの

  3. 䞍必芁な負担を匷いる可胜性があるもの

  4. 鍌をすべきではないもの


病院未受蚺の堎合

鍌灞院などの斜術所では怜査や蚺断が行えたせん。口頭による問蚺だけでは限界があるこず、たた思わぬ疟病が隠れおいる堎合もあるため、たずは医療機関受蚺を匷くすすめたす。ただの腰痛だず思っおいたが、実際は悪性腫瘍の骚転移だった、、、頚怎症の痺れだず思っおいたが、実際は脳梗塞による麻痺だった、、、こういった患者さんの䞍利益を避けるために病院受蚺を最優先させるべきだず蚀えたす。


暙準治療を優先すべきもの

䟋えば、突発性顔面神経麻痺ベル麻痺には急性期のステロむド剀投䞎が有効ですが、急性期に理由なく投薬を受けずに鍌斜術を優先する必芁はありたせん䜵療を陀く。そのほかに、「ガンを治す鍌」ずいったような流蚀がたこずしやかにささやかれおいるこずがありたす。もちろん、鍌だけでガン自䜓を治すずいったような考え方は掚奚されおいたせん。欧米のガむドラむンでは、ガン治療の堎面においお、副䜜甚軜枛や䜵発症ぞのアプロヌチの䞀぀ずしお鍌を甚いるずされおいるに過ぎたせん。このように、患者さんのために適切な時期に適切な方法を優先させるこずが重芁です。



䞍必芁な負担を匷いる可胜性があるもの

䞍必芁な負担身䜓的・金銭的・粟神的が極端に高くなるこずが予想される堎合は、EBMに基づいおあたり匷く掚奚しないこずもありたす。ずくに有効性や安党性が明らかになっおいないものや、そもそも短期間で自然治癒に至るような症䟋に察し、鍌斜術を行うべきかは非垞に疑問です。そのほかに、有効性が高い堎合でも、䟋えば保険適応倖特定6傷病のみ保険適応で䞭長期的・頻回斜術が必芁な堎合などは、状況によっお䞍適ずいう堎合も考えられたす患者さんが匷く望む堎合を陀く。


EBMずは

  • EBMずは、最良の「根拠」を思慮深く掻甚する医療のこずです。EBMは、たんに研究結果やデヌタだけを頌りにするものではなく、「最善の根拠」ず「医療者の経隓」、そしお「患者の䟡倀芳」を統合しお、患者さんにずっおより良い医療を目指そうずするものです。


こういった䟋は

  • 䟋えば、ある疟患の治療に぀いお、たずえランダム化比范詊隓で「最もよい方法」ず瀺されたずしおも、自分では払えないほど高額な費甚がかかる堎合は、もう少し安い他の方法を遞ぶかもしれたせん。


鍌をすべきではない堎合

鍌灞安党ガむドラむン2019仮称 (jsam.jp)によるず、”斜術を行うこずによっお適切な凊眮を受ける機䌚を逞し、重節な病態に陥る危険性がある堎合は、斜術を行っおはならない。”ずされおいたす。たた、倖傷や感染症、など急性炎症性疟患など、出血や感染のリスクが非垞に高いものに぀いおは斜術は控えるべきず蚀えたす。


犁忌の堎合

  1. 心停止、呌吞停止、意識障害、倧量出血、広範囲の熱傷、䞭毒などの緊急事態の堎合は、応急凊眮および医療斜蚭での凊眮を最優先しなければならない。たた、応急凊眮ずしお斜術を行っおはならない。1

  2. バむタルサむン意識状態、䜓枩、脈拍、血圧、呌吞状態に異垞がみられた堎合は、斜術を行うべきではない。速やかに医療斜蚭での凊眮を勧めるべきである。2

参考文献

1. WHO. Guidelines on basic training and safety in acupuncture. 1999. p19.

2. 犏井次矢(ç·š), 奈良信雄(ç·š). 内科蚺断孊. 第3版. 東京. 医孊曞院. 2016. p47-55.


さいごに

鍌療法の適吊は患者さんの利益・䞍利益に盎接぀ながるため、垞に念頭に眮きながら患者さん察応をしおいたす。傍から芋るず「䜕でも治せる」ず蚀えた方がかっこよく芋えたすが、出来るこずず出来ないこずをはっきりさせるこずが重芁であるず感じおいたす。


もちろん、鍌灞垫個々人によっおも埗意䞍埗意ずいうものがあるため、必芁に応じお適宜他院の玹介も行っおいたす。たた、女性特有の症状・疟患に察しおは、男性鍌灞垫よりも女性鍌灞垫にみおもらいたいずいったご盞談も時々ありたす。ご盞談いただければ他院玹介をしおおりたす。気にあるこずがありたしたら、ぜひご盞談䞋さい。



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