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  • 執筆者の写真三焦はり院

健康保険利用時は継続した通院を心がけて下さい。施術間隔が空きすぎると不支給対象となる可能性があります。

健康保険利用と自費の違い

健康保険利用と自費は、療養費支給されることによって一部負担金で施術を受けることが出来るか出来ないか、、、だけではありません。


健康保険利用は自費とは違い、患者さん(サービスを受ける側)と施術所(サービスを提供する側)2者だけの関係に留まりません。「行政」と「保険者」が間に入り、行政が定めた制度に乗っ取った手続きをした後、各保険者の判断(審査)によって給付が決定されます。そのため、制度を遵守し、保険者に配慮した行動が必要となります。


当然ですが、健康保険利用時には、継続した鍼施術を受ける必要があります。


なぜ継続した鍼施術を受けなければいけないか?

(急性か慢性は問わないが、)原則として慢性疼痛疾患が鍼灸の保険適応となっています。


特定6傷病:

・神経痛

・リウマチ

・五十肩

・頸腕症候群

・腰痛症

・頚椎捻挫後遺症


「保険医の同意書」を取得後に健康保険利用可能となり、その後は、毎月通院をし、後日療養費支給申請(2年以内)をすることが一般的です。※1)償還払い:被保険者が申請,2)受領委任払い:施術所が申請


当然ですが、中には「仕事が忙しいから~」であったり、「他にやることがあるから~」であったり、「高齢でどうしても~」というような理由で、定期的に来院されない方もいらっしゃいます。


こういった月を飛ばして施術を受けたりしていると、保険者から「鍼を受ける必要があるはずなのに、なぜ継続しないんだ?もしかしたら治癒しているのかもしれない。。。」であったり、「本人の都合を優先して、症状を改善する気がないのではないか?無駄にお金を使っているのではないか?」と疑われてしまうことがあります。


そうなってしまうと、判断は「各保険者」に委ねられているため、最終的な判断が「不支給(全額実費負担)」となってしまう可能性があります。結果として「不支給」となってしまった場合、当院ではどうすることも出来ません。


では、継続通院が出来そうにない場合、どうすればよいでしょうか?


継続できない理由

・個人的な理由:忙しい、やることがある

・通院困難:なんらかの理由で往療が必要な場合


どうすればよいか?

1)個人的な理由の場合

個人的な「忙しい」「やることが他にある」という理由の場合は、残念ながら「不支給」を覚悟の上で健康保険を利用するか、いっそのこと「自費」に切り替える方が賢明です。


鍼で健康保険利用時には、「医科併療不可(二重利用禁止)」となり、同意の下りている傷病で治療(病院での投薬やリハビリなど)を受けると、鍼では全額実費負担となってしまいます。


「自費」に切り替えると、上記の「医科併療不可(二重利用禁止)」の制限がなくなるため、気軽に病院受診も出来るようになります。


2)通院困難:なんらかの理由で往療が必要な場合

肢体不自由など通院困難な場合は、「同意書」に「往療の必要」の記載があれば、「往療」が可能です。鍼施術を望むが、どうしても通院困難な場合は、「往療」の手続きをした上で、「往療」に切り替えて下さい。


また、保険医から往療の必要がないと判断された場合や、自力通院が可能な場合(日によって往療にしたいなどは不可)は、往療費は全額自費負担となります。


さいごに

「被保険者」がルールを守らず、最後に「不支給」となってしまった場合、「施術者」や「施術所」に文句も言っても、結果は変わりません。


「先生なんとかしてくださいよー。」と言われても、「行政の決めたことですから、、、」または「保険者判断ですから、、、」としか言えません。被保険者のみならず、施術所もルールに乗っ取った健康保険利用をしなければなりません。※ルールを無視すると「不正受給」となります。


健康保険利用は、「負担割合(負担減)」だけが注目されがちですが、「給付金」は「保険者」が支払っていること、そして保険者判断によって支給が決定されていることを忘れずに、決められたルールを守ることが重要です。


最低でも月に1回は受療してください。


当院では、「健康保険利用」による鍼施術を提供しています。ぜひご相談下さい。

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