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  • 執筆者の写真三焦はり院

症状改善後の継続加療は必要?

症状改善後の継続加療の必要性について度々質問を受けます。


継続加療を考えるポイントとして、①本当に治ったと言えるか?②今後悪化する可能性があるか?といったところに注目しています。ではどういった場合は、強く該当するのか?というと、、、①加齢に伴うもの②(若い方でも)環境的に問題が生じやすい場合ではないでしょうか?


一般的な風邪など一週間程度で自然治癒する場合、継続加療は必要がありません。風邪自体が完全に治れば、再発もありません。こういった「急性症状のみ」「一過性」のものだけが治ったと言えるでしょう。


加齢に伴うもの、例えば変形性腰椎症や膝関節症などの疾患は、症状緩和はあっても徐々に悪くなっていきます。とくに高齢の場合、一時的に痛みが治まったからといってケアを怠るとすぐに悪化し、時には想像よりも悪くなることが多々あります。なぜなら、「加齢自体は治らない」からです。どんなに健康的な人でも、皆誰しも徐々に年老いていき、いつまでも若い人と同じ(または若いころと同じ)とはいきません。


また、若い方でも環境的に問題が生じやすい場合、例えばスポーツや労働で筋肉を酷使する

ような場合は、一旦症状が治まっても、同様の環境に身を置いている以上は同様の問題が発生します。ケアを定期的に行い、負担軽減に努めることが症状改善または将来の悪化を防ぐ手立てとなるはずです。


継続加療に悩んだときは、前述のポイントを考慮した上で決定することが大切です。また、自己判断だけではなく、必要に応じて担当施術者に相談することをおすすめします。


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