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  • 執筆者の写真三焦はり院

鍼灸鍼が怖い?それとも症状がつらい?実際の満足度は高いって知ってますか?

鍼灸治療を受けたことがない方は、鍼灸治療に対してネガティブなイメージがあると思います。特に、注射鍼のイメージから「痛いのではないだろうか?」「怖い!」といったイメージを連想しがちです。

 

注射鍼は、薬液の注入を目的としています。内部は空洞になっています。鍼灸鍼は投薬目的で使用されていません。内部に空洞はありません。そのため、鍼灸鍼が注射鍼と同等のサイズということはありえません。また、鍼灸鍼は髪の毛と同等の太さで、とっても細い形状をしています。注射の薬液注入による伸展痛もありません。

 

鍼灸治療を受けた方から、「思ったより痛くない」「思ったよりずどーんという響きがあって効いている気がする」「緊張した」「心地よい」「やっぱり痛かった」など様々な意見をいただきます。感じ方は人によって異なりますので、このような表現になるのだと思います。高野ら(2002)の調査によると、実際の満足度はおおむね高い傾向にあると言われています。そのため、実際の状況は、治療前ネガティブイメージとは大きくかけ離れているといえます。

 

相談に来られる方の中で、鍼治療の説明を聞いた後、「実際に試してみようか」、「試さないか」悩まれる方がいます。私は、おすすめはしますが、無理に誘導することはありません。「もし、ずっと症状が続いて、(痛みなどが)つらい場合は来て試してみてください。鍼の施術時間は数分です。(ある症状や痛みなどの)つらい時間よりもずっと短いと思います。」とだけお伝えします。

 

実際のところ、鍼灸治療の時間は、ある症状(痛みなど)に苦しめられている時間よりもずっと短く、そして、痛くない場合がほとんどです。チクリとした痛みは皮膚表面でしか感じないため、刺入する一瞬以外はありません。そのため留鍼中(刺したあと留めておく時間)に痛みが続くということはないのです。また、鍼が深部に入っていくと独特の鍼感(得気)が生じますが、重だるさを自覚する程度です。この「鍼感」はとても重要です。もし鍼感を全く自覚(無痛)しないようであれば、刺激量は適正ではない可能性があります。

 

もし、「夜中に背中や肩が痛い」、「座っているだけでも首が痛い」、そういった痛みに悩んでいる時は、一度鍼治療を試してみてはいかがでしょうか?夜間の痛みは、「眠れない」「日中も疲れがとれない」などの二次的な悩みを生みます。

 

無料相談は随時受け付けています。興味のある方は当院までご連絡ください。


参考文献:

高野 道代ほか(2002).  鍼灸院通院患者の鍼灸医療に対する満足度に関する横断研究, The Journal of The Japan Acupuncture & Moxibustion Society 52(5), 562-574

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