top of page
  • 執筆者の写真三焦はり院

鍼灸鍼は柔らかい

鍼灸鍼と言えばどのようなイメージをしますか?「痛そう、、、」「怖い、、、」というイメージから固くて太い注射鍼を想像するかもしれませんが、鍼灸鍼は思ったよりも弾力性があって柔らかく出来ています。細さも髪の毛程度です。


実は、鍼灸鍼の柔らかさ(柔軟性)を利用することによって様々なことが行えます。例えば、頭皮鍼(頭皮に鍼をしていく)を行う際には、皮下に鍼を入れた後、たわませながら頭蓋骨の形状に沿ってカーブを描くように鍼先を進めていくことが出来ます。もし鍼灸鍼に柔軟性がなくたわまない場合はすぐに頭蓋骨に当たってしまい、鍼はあまり刺さりません。


逆に、よくたわむと言うことは皮膚を貫く力が弱いとも言えます。そのため、内側から鍼が皮膚を突き破って外まで飛び出てくることはありません。そのため、前述の頭皮鍼を行う際にも途中から外に出てくることがないわけです。


その他、患者さんの体動によって鍼自体が「くの字」に曲がることはありますが、よほど金属疲労(何回も故意に折り曲げ続ける)や腐食(長時間電流を流して弱らせる)がなければボキッと折れて切断されてしまうことはありません。なお、電気を流す場合や筋中に入れる際は、折鍼や抜鍼困難(筋緊張が強く抜けなくなる)などのアクシデントを避けるため、一定の太さ(0.2mmφ)以上の鍼を使用します。また、鍼体を目いっぱい皮下まで入れないようにしています。

最新記事

すべて表示

局所における鍼の持続効果の話

著者は、「鍼の持続効果」に関して、度々質問を受けることがあります。実は、「鍼を刺すこと自体」には、数週間、数カ月と言った中長期的な作用はありません。「直接的な作用」は、刺鍼直後~数時間程度と考えます。「なんだ鍼はその程度しか効かないのか、、、」と感じる方もいるかもしれませんが、厳密には、この「直接的な作用」と「副次的に生じる持続効果」については分けて考えなくてはなりません。 例えば、局所麻酔剤を痛

ボツリヌス毒素・ミラーバイオフィードバック療法併用に関する研究の紹介

前回の記事(やっぱりミラーバイオフィードバック法は大事 (sanshou-hari.com))で「ミラーバイオフィードバック法は大切ですよ!」という話をしました。ミラーバイオフィードバック法は、鏡を見ながら顔を動かす方法ですが、単なる表情筋のトレーニングではなく、中枢(脳)での運動ネットワークの再構築を目標にしたリハビリです。 本稿では、関連する研究として、高橋(2014)による「ボツリヌス毒素・

やっぱりミラーバイオフィードバック法は大事

本稿では、顔面神経麻痺のリハビリの一つである「ミラーバイオフィードバック法」に触れていきたいと思います。 ミラーバイオフィードバック法とは、「鏡を見ながら顔を動かすリハビリの方法」です。主に、口を横に開く「イー」、口を尖らせる「ウー」、ほっぺたを膨らませる「プー」の三種目を行います。 ミラーバイオフィードバック法の目的は「病的共同運動(口を動かすと目が閉じるなど、後遺症の一つ)の予防」です。そのた

bottom of page