​急性腰痛症

<​病気のこと>

 
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急性腰痛症とは?

1)発症原因

急に起こる腰痛のうち、いわゆる”ぎっくり腰”と言われるものは、腰背部の筋肉の異常収縮によって起こっていると言われています。一般的には重いものを持ったり、くしゃみをするなど、イベントの後に発症します。腰背部に発症する筋膜性疼痛症候群(MPS)とも言えます。

2)特徴的な症状

① 何かの拍子に急に発症:重いものをもった、くしゃみをしたあとなど

② 腰が固まる:背中をそれない、腰を前に曲げられない

③ 激痛:激しい痛みから、「魔女の一撃」といわれています

④ 局所の筋緊張:筋緊張が強く、つっぱりがある

3)注意

注意としては、単なるぎっくり腰と思っても、結石などから起こるもの(内臓疾患)、腰椎椎間板ヘルニアによるもの、腰椎圧迫骨折などの筋・筋膜由来ではないものが原因となる場合も考えられるため注意が必要です。

4)予後

一般的には、安静にすることによって、一週間から二週間程度で治ります

急性腰痛症の経過や段階

1)急性期(数日)

急激に発症し、筋肉の異常収縮によって、強い痛みを感じる。

2)急性期以降

じょじょに痛みが軽減してくる。まれに筋膜性疼痛症候群のようになり、痛みが残ることがある。

急性腰痛症のケア

1)薬物療法

トリガーポイント注射、痛み止めの内服薬、湿布

2)物理療法

 

急性腰痛症

<当院の施術内容>

当院で​使用しているツボ

1)主に使用するツボ:

1)経筋排刺法:関連する経筋上に鍼を刺していきます。

2)阿是穴:圧痛点、トリガーポイント。痛み

3)大腰筋刺鍼:大腰筋への鍼。背中がそれない

​「血流改善、筋膜リリース」による症状改善

鍼のメカニズム

1)​血流改善による鎮痛

鍼による刺激で血流改善を行います。血流改善によって、痛みの物質が流されていき、痛みが軽減します。また、筋肉自体の緊張も緩和し、可動域制限が改善していきます。

​2)筋膜リリース

筋膜上のトリガーポイントに鍼をあてることによって、LTR(筋肉がビクッっとなる反応)が起き、痛みや可動域制限が解除されます。

急性腰痛症

 

<当院の取り組み>

急性腰痛症に対する考え方

1)まずは早期受診をすすめています

まずは医療機関を受診して原因を特定することが重要です。鍼施術を先に受けた場合でも、単なるぎっくり腰と慢心せず医療機関受診をすすめています。とくに安静時痛(癌性)、拍動痛(骨折)、増悪するような場合や激烈な神経痛(ヘルニア)が起きている場合は、筋・筋膜以外の原因が考えられます。

2)痛みをとることが最優先

痛み止めの内服薬、トリガーポイント注射、鍼と併用して痛みをとることをすすめています。痛みを感じると局所の循環が悪くなり、さらなる痛みを生みます(痛みの悪循環)。痛みを極力とることで、回復を早める作用があります。

3)安静が原則

適切なケアのあとは、安静に勝るものはありません。無理に動かしたりすると症状が増悪し、回復が遅れることがあります。つよく圧したりするマッサージなども逆効果です。

鍼のメリット

1)副作用がない

鍼療法には副作用がほとんどありません。痛み止め、湿布、トリガーポイント注射との併用も効果が高く、おすすめしています。

2)回復を早める

よく、「ぎっくり腰に鍼をしたらその場で治った!」というようなエピソードを耳にしますが、鍼をしてすぐに治るかどうかは体質や状態によります。実は、鍼を行うことによる効果は、回復までの過程を相対的に縮めることです。例えば、一週間かかる時間を3日に縮めたり、二週間かかる時間を一週間に縮めるといった考え方です。早期に回復ができれば、通常通りの生活に早く戻ることができます。​

3)深いところの筋肉には鍼がよい

ぎっくり腰に関連する筋肉である大腰筋(だいようきん)は、背骨の前側にあります。体表から触ることはできません。そのため、電気療法や徒手療法(マッサージ)ではなかなか大腰筋へのアプローチができません。鍼では75mm程度の長い鍼を使用し、直接大腰筋に直接アプローチします。大腰筋には、腰を曲げる作用があります。腰が曲がったまま背中がそれない場合は、大腰筋の異常収縮の可能性があります。こういった場合に鍼はとても有効です。

急性腰痛症ケアのポイント

1)急性期

炎症が強い場合は温めない。マッサージを含め強い刺激を行わない。安静にすることが重要です。

2)急性期以降

逆に温めて循環を良くすることが重要です。

3)焦っても治るものではない

​焦らずに治すことが重要です。

 

急性腰痛症

<セルフケア>

セルフケアはどうしたらいいか?

1)お灸によるセルフケア

急性期以降は、お灸もよいでしょう。温度の低いマイルドタイプから使っていきましょう。熱さを感じたら我慢せずにすぐに外しましょう。使い方は、痛みのあるところにすえていくだけですが、血管の上や皮膚が弱くなっているところにはすえないようにしましょう。火傷や火事には十分注意してください。​

 

2)シールタイプの鍼

こりスポッと(鍼なし)という市販の商品があります。使い方は、痛みのあるところに貼っていくだけです。また、痒みが出た場合はすぐにはがしましょう。お風呂の前にはがすようにして、衛生面に十分注意してください。​

 

3)運動・ストレッチ

痛みが改善してきた後は、できる範囲で、ゆっくりと運動やストレッチをしてみましょう。​​筋膜がうまく滑るように意識しましょう。​