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  • 執筆者の写真三焦はり院

末梢性顔面神経麻痺のセルフケアが難しい理由

更新日:1月18日

末梢性顔面神経麻痺では、セルフケアが大切と言われています。主に、フェイシャルマッサージ(およびストレッチ)、ミラーバイオフィードバック法(鏡をみながら顔を動かす方法)などがセルフケアに含まれます。


当院でも、鍼施術と併せて指導を行っています。初来院日にやり方を伝えるとともに、再来院以降も確認と修正を行っています。「何らかの指導をすでに受けている方」は初診日、「当院で初めて指導を受ける方」は再診日においてセルフケアのチェックをしますが、ほとんどの方が正しく実践できていない印象です。


難しい理由は、「(患者さんにとって)表情筋へのセルフケアが初めて」だからです。「今回もまた顔面神経麻痺になっちゃいました。今回で10回目です!」であったり、「他人の顔面神経麻痺のセルフケア指導をしたことがあります。」という方はまずいないわけです。当然ながら、見よう見まねで何となくこなしていくと言う場合が多い印象です。


この「何となくこなす」ことを続けると、後遺症のリスクが高まります。すると、「それくらいなら何もさせない方がよい。」と言う声が聞こえてきそうですが、何もしない場合はそれはそれで「後遺症予防を行わないという意味」ですから、セルフケアをしっかり行った場合に比べてリスクが高まります。大切なことは、しっかり指導を受けた上で、正しい方法を身に着けることです。


そのほか、ユーチューブ等でみかけるウーイープー体操は、ミラーバイオフィードバック法の一種ですが、レクチャーでは健常者を使っている場合が多く、あまり参考になりません。健常者の場合、表情金の可動域は100%となっているはずです。表情筋が動き始めたばかりの方が、健常者を参考すると、必ず無理をした動きになります。力が必要以上に入りやすくなり、顔全体を使った粗大な運動になりがちです。粗大な運動は禁忌とされており、顔の偏位(顔の歪み)、病的共同運動(神経の混線によるひきつり、痙攣など)などの後遺症が生じやすくなります。


当院でミラーバイオフィードバック法の確認を行う際には、「力の入り具合は均等か」、「無理に代償運動を行っていないか」、「痙攣は生じていないか」などの細かいポイントを注意深く観察しています。毎回一緒に確認を行いながら、正しいセルフケアを継続できるようサポートをしています。


顔の運動(ミラーバイオフィードバック法)の目的は、イメージトレーニング&フォーム確認です。これによって、顔面神経は正しい筋肉に対し枝を延ばし、脳は正しい運動の仕方を学習するわけです。けっして筋肉強化のトレーニングではありません。麻痺側を「動かそう」、「筋肉強化しよう」としても「動かないものは動かない」わけです。それよりも動く部分をより正確に動かし、回復・成長を促す方がより大切です。


最後に、あとはモチベーションの維持が大変だと感じています。毎日の作業を数か月~ 一年以上となるとどうしてもモチベーションが下がってくると思います(後遺症の可能性がある場合、最低でも一年は継続する必要がある)。そういった意味でも、現状の課題や変化を確認できるため、継続的な通院をおすすめしています。もちろん、鍼治療も回復促進につながるため、当院では鍼施術を積極的に行っています。

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