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相補代替医療としての鍼灸療法の必要性

鍼灸療法は、現代医学(主に西洋医学)の中では、相補代替医療( Complementary and Alternative Medicine , CAM)という位置付けにあります。言葉通り、西洋医学的治療方法を補う医療の一つという意味合いがあります。


大まかな応用方法:

1)西洋医学的治療方法で治療成績があがらない場合

2)アレルギーや副作用の出現などによって薬物療法が不適の場合

3)西洋医学的治療方法と併用することによって相乗効果が期待できる場合etc...


上記のような場合に鍼灸療法を含むCAM療法を取り入れて治療を行っていきます。


具体例:

1)認知症治療薬だけでは副作用が強いため、漢方や鍼灸療法も併用する

2)顔面神経麻痺に対して薬物療法だけでは効果が不十分だったため、鍼灸療法を併用

3)脳卒中患者(脳梗塞、脳出血)に対しリハビリと鍼灸療法を併用する

4)薬物療法で便秘などが出現したため、鍼灸療法併用して副作用を抑える

5)パーキンソン病の症状を鍼灸療法で抑制し、投薬量をできるかぎり維持する

6)坐骨神経痛や腰痛などの疼痛ケアに鍼灸療法を併用するetc...


鍼灸臨床現場では上記のような例に対し、鍼灸療法を行います。高齢の方では、どうしても薬の量や種類が増えがちです。鍼灸療法は、薬との飲み合わせの問題もほとんどないため、気軽に併用することが可能です。


鍼灸療法の利点としては、直接患部まで針先を届かせることにあります。深部筋の問題や、神経の問題では直接近くまで針先を到達させて血流量を上げたりといったことが必要になります。表面からの通電や温熱だけでは十分に血流量をあげられません。


昨今、アメリカでは理学療法士( physical therapist, PT )が鍼灸療法を一部限定的に行うことが可能となりました。鍼灸師の行う「鍼灸(acupuncture)」ではなく、「ドライニードリング(dry needling)」という、解剖生理学に基づく鍼治療のみ可能となりました。


鍼灸療法は東アジア、東南アジアだけではなく、アメリカや欧州含めて世界的に認知度が上がってきています。医療の選択肢が増えることによって、患者さんにとってよりよい環境が整っていくと思います。

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