身体の不調から真っ先に鍼を受けたいと思う方はあまりいません。医療機関での治療を経てから鍼を検討する場合がほとんどではないでしょうか?中には、薬の副作用軽減目的や副作用から代替医療の一つとして鍼を検討される方もいらっしゃいます。
鍼の最大の利点は、①副作用がないこと、②薬との飲み合わせなどを考えなくてよいことです。そのため、薬物療法と併せて鍼を受けたり(併療)、代替療法として鍼を受けることは理にかなっていると言えます。
痛み止めによる胃もたれ・便秘・飲みすぎによる薬物乱用頭痛、プレガバリン内服後のめまい・ふらつき・傾眠傾向が顕著な場合など、さまざまな場面で鍼を併用することが可能です。もちろん、お灸も併用できます。
鍼を受けながら、徐々に減薬することによって、副作用も軽減していきます。もちろん、緊急性がない限り、鍼施術開始直からの極端な停薬は必要ありません。徐々にバランスよい比率に持っていき、身体負担の少ない状態にすることが重要なポイントです。
鍼は「痛い、怖い」、灸は「熱い、怖い」というイメージがあるかもしれませんが、一度鍼を受けてみて、大丈夫そうであれば、定期間継続してみることをおすすめしています。最初は数本でもダメだった鍼が徐々にほん数が増えていくことは珍しくありません。時間が経つにつれて、最初は「痛い」だけだった鍼施術も「ちゃんとツボにあたっている」と鍼感(得気、ずーんとするような感覚)と痛みの区別が出来るようになってきます。
また、凝っているような場所は鍼感を強く感じますが、コリが取れてくると鍼感もマイルドになっていきます。これはいわゆる「痛みの再現(症状が再現される)」と言われているもので、的確に鍼が当たっている証拠です。
鍼療法や灸療法は自然な治療方法の一つです。薬の副作用で困っている方にも鍼をおすすめしています。