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鍼灸院を決める時のよくある間違いと決める時のポイント。

第一に施術所は保険医療機関とは違う

病院や診療所は一般的に「保険医療機関」と呼ばれています。鍼灸院や整骨院は「施術所」と呼ばれています。整体は施術所ではなく、「(リラクゼーションショップなどの)店舗」です。


整体は鍼灸や整骨と同じ「施術所」ではない?のかというと、そもそも無資格なので(あはき法など)法律上の規制を受けていません。保健所への登録も必要なく、国家資格も存在しません。そのため、一般的な「店舗」としての扱いとなっています。


保険医療機関はほとんどが保険診療です。そのため、「決められたルール」に乗っ取った「医療」を受けることができます。保険点数(×10円=10割の負担額)は医療機関によって変わることはないため、評判がよいところにいけば問題はなく、料金体系での悩みはほぼ皆無です。


こと施術所に限っては、「限定的に健康保険利用可」となっており「原則自費」となっています。もちろん、健康保険利用には「決められたルール」があります。


保険適応症:

1)はり・きゅう

・主に疼痛(慢性以外も可)


2)整骨・接骨

・急性外傷(打撲・捻挫・脱臼・骨折)のみ


保険利用の観点から述べると、脊柱管狭窄症(変形性腰椎症)なのにあえて、急性外傷をみる整骨院にいくことや、脱臼・骨折をしたからといって鍼灸院にいくことは間違いです。


料金が高い安いと考える前に、まずは相場を知りましょう

健康保険利用のみで施術を受けられればよいですが、健康保険利用にはさまざまなルールがあります。一般の方には馴染みがないかもしれませんが、病院で薬を処方されて、リハビリも行って、やっぱり鍼灸(整骨)も保険で、、、という「(健康保険利用による)併療」は出来ません。併療問題を回避するためには、同一の疾患(傷病)では保険医療機関か施術所のどちらか片方を選ぶ必要があります。


また、健康保険利用ができない場合、「(自費で)料金が高いから、、、」といって、格安店を探すことが最重要ではありません。もちろん、あえて立地のよい料金設定が高いところを目指す必要もありませんが、まずは相場を知ることが大事です。


鍼灸でいえば、一般的に3,000~10,000円の間が相場となっています。平均的に5.000円程度が相場ではないでしょうか?また、基本料金が安くてもオプションの追加料金(追加の鍼1本200円など)が高い場合もあります。もちろん立地やサービス内容(予約制の有無など)によって価格が変動します。※当院は3,000円で予約制。


症状が改善する可能性が高いかどうか?が重要

一番重要なことは、「症状が改善する可能性が高いかどうか?」です。


リラクゼーションとは違い、(心身上の)何らかの悩みを抱えて来院される場合がほとんどだと思います。ほとんどの方は、医療先行(病院での治療)を経て、「何とかよくならないか、、、」と言う思いから鍼灸などを検討されていると思います。


もし、鍼灸院の門を叩いて、「病院に比べて高いな」と思う方は、また「いままでどおりの治療(病院での治療)」を継続する以外に方法はありません。治療継続し、いままでどおり症状が改善しなくても、それはどうしようも出来ません。


「鍼灸を受けたかったはずなのに、鍼灸は受けず、またもとの治療を継続している。」状態は本末転倒です。保険医療も無料ではないですし、一部負担金は(1割~3割)数値上は非常に安価ですが、「治らないけど、安いからいいや」と思って継続していけばどんどんと膨れ上がっていきます。また通院期間は?待ち時間はどうか?といったことも考えなければいけません。


もし、「(保険適応できれば更にいいが、)自費でもいいから何とかしたい」と思う方は、料金だけではなく、施術内容や施術方針、そして鍼灸院の特色などを調べた上で、該当する施術所から選んでいきましょう。施術所を保険医療機関と比べるのではなく、施術所は施術所同士で比較検討すべきです。「病院は安いから、、、鍼灸は高いから、、、」という比較は不毛です。


高齢者に多い脳血管障害や認知症など神経変性症は保険適応外

高齢者に多い、脳血管障害(脳卒中:脳梗塞、脳出血)やパーキンソン病・認知症などの神経変性症は保険適応外です。鍼灸院でも整骨院でも保険対象となっていません。


一般的に脳卒中などの神経障害は、ダメージを受けてから回復期までの期間に集中的に治療(施術)を受ける必要があります。一般的に鍼灸を併用する方が経過は良好と言われています。あとになってから、やっぱり鍼をしたいと考えても、早め早めから受けるよりも回復速度や症状改善の可能性は低い(回復したとしてもより時間が掛かる)と言えます。


また、パーキンソン病やアルツハイマー病など進行性の神経変性症も早期から鍼施術を併用した方が経過は良好と言われており、神経障害と同様に、早期からの継続した施術をおすすめします。


(何らかしらの理由で)症状改善の可能性が高い時期を逃したあとでは、悔いが残ることがあります。とくに「自費だからどうしようか、、、」と悩んでいた場合は、なおさらだと言えます。良いものをやれるだけ、改善が見込める時期に行うことが重要です。


最後に

鍼灸は原則自費ですから、利用する側としては鍼灸院の施術方針や内容よりも、出来るだけ安いほうに安いほうにいきがちです。一度、なぜ(病院ではなく)鍼灸院などを利用しようと思ったのか?を思い出して下さい。症状が改善する可能性が高いかどうか?が一番重要ではないでしょうか?


当院では脳血管障害や神経変性症への特殊鍼法を提供しています。一般的な鍼灸院では提供していません。もちろん臨床でよく見かける「腰痛」「肩こり」「神経痛(痺れ)」なども当院で対応可能です。お気軽にご相談ください。※要事前予約

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