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帯状疱疹

<​病気のこと>

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帯状疱疹とは?

1)発症原因

水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus;VZV)の感染が原因と言われています。VZV感染および潜伏の後、ストレスや寒冷暴露などの誘発因子によって発症します。免疫力の低下しやすい50歳以上で発症率が高いと言われています。また、HIV感染などの免疫不全によっても発症します。そのほか、帯状疱疹後神経痛(PHN)は難治性のため注意が必要です。

2)特徴的な症状

① 神経分布に沿った痛み:灼熱感、触電感など

② 片側のみ

③ 皮膚の痛みやかゆみ

④ 発疹や水ぶくれ(水疱)

帯状疱疹の経過や段階

1)急性期(数日)

皮膚の痛みやかゆみが先行し、発疹や水ぶくれ(水疱)が皮膚上に出現する。

2)回復期(~数週間)

疱がかさぶたとなり、徐々に症状が治まってくる。

3)後遺症期(3か月~)

神経破壊が重度な場合は、後遺症が残る可能性が高くなります。一般的に、3ヶ月以上痛みが持続する場合は、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」の可能性が高いです。高齢者の場合は免疫力も弱く、重症化しやすいと言われてるため、注意が必要です。

帯状疱疹のケア

1)薬物療法

抗ウィルス剤の投与

2)物理療法

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帯状疱疹

<当院の施術内容>

当院で​使用しているツボ

1)主に使用するツボ:

1)囲刺法:患部周辺に鍼を刺していきます。

2)排刺法:神経分布領域に鍼を刺していきます

3)夾脊穴(きょうせき):背骨の際のツボ。帯状疱疹ウィルスの潜伏している部位。

​「血流改善および免疫誘導」による症状改善

鍼のメカニズム

1)急性期~回復期:局所循環改善および神経回復促進など

鍼による侵害刺激によって局所血流量が上がります。一連の過程で、免疫細胞が局所で増えるため、抗ウィルス作用が期待できます。免疫誘導によってVZVウィルスの活動を弱めることが目的です。また、局所循環改善によって神経回復促進や鎮痛作用が期待できます。併せて、身体を元気にするツボを加えることで全身調整を行います。

​2)後遺症期:筋緊張緩和など

血流改善による神経回復促進や鎮痛作用が期待できます。

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​帯状疱疹

<当院の取り組み>

帯状疱疹に対する考え方

1)まずは早期受診、早期治療開始

まずは医療機関の早期受診が大切です。早期からの標準治療(抗ウィルス剤の投与)をすすめています。抗ウィルス剤は皮膚症状発症から3日以内の投与が大切と言われています。重症化を防ぐためにも、早期受診・早期治療開始が重要です。

2)早期から鍼治療も視野に

医療機関の早期受診が大切ですが、痛みかゆみが先行している状態で「帯状疱疹が疑われる場合」は早期からの鍼をおすすめしています。鍼施術による免疫誘導によって症状軽減、予防作用があると言われています。

3)VZVウィルスに対する治療戦略

​帯状疱疹発症には免疫低下が関係しています。普段は免疫によって活動が制限されているVSVウィルスが免疫低下に乗じて再活性化、神経線維にそって皮膚まで感染を繰り返し、症状が出てくるわけです。薬物療法では、抗ウィルス剤を投与するわけですが、鍼では侵害刺激による免疫誘導を行います。鍼を刺した部位には「フレア」といって発赤が生じます。フレアによる局所循環改善が起こると、血流にのって免疫細胞が多く集まり、ウィルス抑制へ作用すると言うわけです。

4)帯状疱疹後神経痛(PHN)

後遺症である帯状疱疹後神経痛(PHN)は、①「破壊された神経の感作(感覚過敏)」②「回復過程によって生じる神経同士の混線」が原因と言われています。そのため重症度と関係があると言われています。破壊された神経は、「すりむけた皮膚」のようなイメージで、カバーがない状態のため普段よりも痛みを感じやすい状態(感作)です。また、混線ですが、本来は接続されるはずのない神経線維同士が互いに接続されてしまっている状態です。痛みを伝える神経に感覚神経が接続されれば、何かが触れただけで痛みが生じるようになり、痛みを伝える神経に交感神経が接続されれば、交感神経活動時(おもに日中)に持続的な痛みが生じると言うことになります。そのため、後遺症を残さないためのケアが大切になります。

鍼のメリット

1)副作用がない

鍼療法には副作用がほとんどありません。薬物療法との相性もよく、相乗効果が望めます

2)直接的なアプローチ

免疫誘導による抗ウィルス作用が望めます。

帯状疱疹ケアのポイント

1)痛みやかゆみに注意

痛みやかゆみが先行することが多く、受診遅れによる症状悪化が懸念されます。少しでもおかしいなと感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

2)発症~進行は思ったよりも早い

帯状疱疹よりも、帯状疱疹後神経痛(PHN)をいかに発症させないかという考えが大切です。そのため、重度な神経破壊が起きないように早期からのケアが大切です。後遺症は難治性のため、移行した場合は、より長い時間を治療に掛けることになります。「ただの赤みだから、、、」、「まだひどくなっていないから、、、」と言った理由でケアを怠ると、あっという間に皮膚症状と神経破壊が進んでいくため注意が必要です。

3)発症部位によっては失明や顔面神経麻痺のおそれも

​全身どこでも帯状疱疹を発症する可能性があります。顔面部に発症した場合は、失明や顔面神経麻痺などを引き起こす可能性があります。単なる皮膚症状と放置せず、すぐに医療機関を受診してください。

4)帯状疱疹発症は免疫力低下のサイン

帯状疱疹発症には免疫力低下が関係があります。帯状疱疹は心身の疲れを表しているとも言えます。帯状疱疹だと感じたら、ストレス、太陽光、寒冷刺激など体に負担のかかることはなるべくしないようにしましょう。また、極端なダイエット、食が細い、やせなども免疫力低下へとつながります。しっかり栄養を取り、十分な睡眠を心掛け、しっかり休息をとることが大切です。

5)後遺症発症のリスク因子

​以下に該当する場合は、特に注意する必要があります。

① 50歳以上

② 帯状疱疹の症状が重度であった

③ 糖尿病などの基礎疾患がある

④ 体幹部や顔面の皮膚症状

⑤ 抗ウイルス剤投与までに72時間以上経過

6)水疱瘡に掛かったことがある場合はワクチン接種も

50歳以上の方にはワクチン接種が推奨されています。ワクチン接種によって発症リスクと発症時の重症化が予防できると言われています。

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帯状疱疹

<セルフケア>

セルフケアはどうしたらいいか?

1)十分な栄養をとる

強い身体を作るためには栄養が欠かせません。「医食同源」という言葉があるように、身体を構成する成分の多くは、口から摂取されています。過度なダイエット、栄養吸収力の低下は免疫力低下を起こし、様々な病気を引き起こす原因となります。しっかり3食をバランスよくとること、食が細い方は回数を増やしたり、栄養補助食品を併用したりしながらバランスのよい食生活を心掛けて下さい。

​2)十分な睡眠をとる

生きていく上で睡眠は欠かせません。帯状疱疹は体の疲れの現れです。十分な睡眠を心掛けて下さい。

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