緊張型頭痛
<病気のこと>

緊張型頭痛とは?
1)発症原因
緊張型頭痛は、精神ストレスや眼精疲労、肉体的疲労などの身体ストレスが重なり発症すると言われています。また、その他に頭痛を誘発する要因がない一次性頭痛に分類されています。片頭痛と合併することもあります。
2)特徴的な症状
① 頭痛:頭全体が締め付けられるように痛む
② 筋肉の過緊張:肩こりなど
3)注意
神経症状や吐き気を伴う場合、バットで殴られたかのような激痛を伴う場合は脳卒中の可能性もあるため注意が必要です。
緊張型頭痛の経過や段階
1)慢性緊張型頭痛
ほぼ毎日頭痛がする
2)反復性緊張型頭痛
慢性緊張型頭痛とは違い、頭痛の頻度が少ない
緊張型頭痛のケア
1)薬物療法
筋弛緩薬、漢方、抗うつ薬
2)物理療法
鍼、灸、温熱療法
3)その他
心理療法、行動認知療法
緊張型頭痛
<当院の施術内容>
当院で使用しているツボ
1)主に使用するツボ:
1)肩井(けんせい):僧帽筋。肩こり、頭痛
2)天柱(てんちゅう):後頭部、後頭下筋群。肩こり、頭痛
3)風池(ふうち):後頭部、後頭下筋群。肩こり、頭痛
4)完骨(かんこつ):後頭部、後頭下筋群。肩こり、頭痛
5)頚百労(けいひゃくろう):後頚部、僧帽筋、肩甲挙筋。肩こり、頭痛
6)肩中兪(けんちゅうゆ):上背部、肩甲挙筋。肩こり、頭痛
7)肩外兪(けんがいゆ):上背部、肩甲挙筋。肩こり、頭痛
8)頭維(ずい):側頭部。頭痛
「血流改善」による鎮痛およびリラックス効果
鍼のメカニズム
1)局所の血流改善による鎮痛
軟部組織を鍼で刺激することによって血流改善がおこり、痛みがとれやすくなります。
2)副交感神経優位によるリラックス効果
鍼をすると副交感神経が優位になり、リラックスすることが出来ます。
緊張型頭痛
<当院の取り組み>
緊張型頭痛に対する考え方
1)まずは医療機関を受診
様々な原因から頭痛が生じるため、医療機関受診をすすめています。市販薬(OTC)を中長期的に漫然と飲まれている場合は「薬害乱用頭痛」の可能性もあるため注意が必要です。
2)ケアと生活習慣改善
鍼による血流改善を促しながら痛みや緊張を取っていきます。しかし、ストレスや疲労も増悪因子となるため、根本的な解決に向けてご自身の状態にあわせたセルフマネージメントも必要です。例えば、「疲れると頭痛がひどくなる、、、」という場合は、疲れすぎないようにすることも大切です。
鍼のメリット
1)副作用がない
鍼療法には副作用がほとんどありません。薬物療法との相性もよく、相乗効果が望めます。また、痛み止めによる副作用に悩んでいる方にもおすすめです。
2)筋膜リリース
筋膜上のトリガーポイントに鍼をあてることによって、LTR(筋肉がビクッっとなる反応)が起き、筋肉自体の緊張が緩和し痛みが解除されます。
緊張型頭痛のポイント
1)身体をゆっくり休ませる
身体的ストレスが掛かっている場合は、ゆっくり休むことが大切です。デスクワークなどで長時間同じ姿勢で方は、適度に休憩をとりストレッチや体操などをして下さい。お風呂などで身体を温めることもよいでしょう。
2)ストレスを発散させる
スポーツや趣味でストレスを発散したり、適切な睡眠をとったりすることでストレスを発散させましょう。仕事中でも”つかれたな、、、”と感じた時には休憩をはさむようにして、ゆとりをもった生活を送ることが大切です。
3)眼鏡の度数のチェック
じつは、眼鏡の過矯正(近視のレンズ矯正が強すぎる)によっても頭痛、吐気、肩こりは起こります。いわゆる「見えすぎていること」が原因です。長時間物を近くのもの見続けたりすると、一時的に視力が落ちます。こういった仮性近視の状態にあわせた眼鏡をつくると過矯正が起こってしまうため注意が必要です。また、近くを見るとき用、遠くを見るとき用、普段使い用などのシーンにあわせた眼鏡を使用することも大切です。
4)痛み止めの使いすぎに注意
ロキソニンなどの痛み止めはドラッグストアなどで市販薬(OTC)として購入することができます。中長期的に漫然と服用すると副作用のリスクも高くなり、胃腸障害や薬物乱用頭痛(頭痛薬の使いすぎによる頭痛)、肝機能障害などの原因となります。とくに一ヶ月に10日以上、三ヶ月に渡って飲んでいる方は注意が必要です。とりあえず飲んでおこうと考える前に、医療機関を受診するようにして下さい
緊張型頭痛
<セルフケア>
セルフケアはどうしたらいいか?
1)蒸しタオルで温める
蒸しタオルの作り方ですが、水で濡らしたタオルをジップロックなどの耐熱袋に入れて電子レンジで温める方法が簡単です。十分に温度を確認した後、首筋や肩を温めるとよいでしょう。低温火傷には十分注意してください。蒸しタオルで温めることによって血流が促進されて筋緊張が緩和されていきます。